- ( ^ω^)ブーン小説作家のようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 14:45:31.74 ID:XcT7i+xA0
-
「乙!」
「乙でした!続きwktk」
( ^ω^)「ぶひひ。愚民共の声援が心地よいお」
彼の名はブーン。
大学を中退し、ネット小説であるブーン系小説に没頭しているブーン系廃人である。
( ^ω^)「さて、22話の執筆しないと。ふー、大御所も楽じゃないお」
彼の作品、ブーンはアドレイバーのようです、は独自の設定と魅力的な世界観で、
いわゆる大御所と言われるポジションに位置する作品であった。
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 14:49:21.01 ID:XcT7i+xA0
-
そして、彼の名(トリップ)もネームバリューがつき、彼の書く作品に外れなし、と言われるようになっていた。
( ^ω^)「うん? 今日も某スレが立ってるお。どうせラドンが僕の作品叩いてるおねww」
ブーンなようです
「アドレイバーつまんね。gdgd」
「嫉妬乙」
「信者乙 作者さんですか?」
( ^ω^)「相変わらずカオスだお」
そこに書き込まれているのは、読者を装ったアンチから信者、純粋な読者。
暇つぶしに書き込んでいる空気作者から、作者を装った叩き厨と、ロクでもない面々の暇つぶしであった。
( ^ω^)「まー、僕は馴れ合いもしねーし作品の質で勝負だおwwwうめぇww」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 14:51:31.66 ID:XcT7i+xA0
-
( ^ω^)「さて、今日のスケジュールは、と」
8時 起床 朝飯
8時30分〜 執筆
13時 昼ごはん 休憩
14時 執筆
18時 晩御飯 まとめサイト巡回 執筆
21時 投下 執筆
1時 今日の某スレ確認
3時 就寝
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 14:54:30.09 ID:XcT7i+xA0
-
( ^ω^)「いつも通りはりきっていくかお」
ブーンは一日の大半をブーン系小説にささげていた。
金になる訳でもない。出版されて映画化(笑)されるわけでもない。
しかし、自分の書いた作品が即座に評価されるブーン系小説は、彼にとっては何よりも魅力的であった。
( ^ω^)「投下します」
「ktkrwwww」
「待ってました!!」
「支援!」
こんな生活を始めて、もう2年になる。
2年。大御所といわれるまでに、辛く、厳しい下積み時代があった。
ブーンはまったりと投下をしながら、今までの苦労を思い出していた。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 14:57:32.26 ID:XcT7i+xA0
-
デビュー当時。総合時代。
( ^ω^)「いよいよ総合を旅立つお! 皆、応援してくれお!」
「おk!がんばれー!」
「期待」
( ^ω^)「いざ、スレ立て投下だお!」
……
( ^ω^)「あ、あれ? 支援のレスがつかないお」
(;^ω^)「投下が終わっても、乙があんまりつかない……
まとめサイトもこないお」
「つまんね」
(;^ω^)「エ……」
そのまま、スレは沈んでいき、まるで何も無かったかのようにdat落ちした。
ブーンは、震えが止まらなかった。
苦労して書き上げた一話は、読者もまとめもつくことなく終わったのだ。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:01:19.61 ID:XcT7i+xA0
-
(;^ω^)「なんでだお、総合では乙とか支援とかあったのに……!」
悔しかった。
ブーンには、何故人気が出なかったのか、その理由がわからなかった。
再び総合に戻っても、某スレといわれる雑談所(当時のブーンはそういう認識であった)で自演しても
全てスルーされた。というか、誰もそんな作品の事など覚えていなかったのだ。
( ω )「僕の作品のどこがダメなんだお……」
ブーンは、自分の作品を見直し、しばし苦悩した。
自分なりによく出来た、そう思っていた。
しかし、甘かった。甘すぎる考えだった。
ブーンはその日から、人気作品から話題になっている作品を、まとめサイトを巡り
がむしゃらに研究した。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:06:11.52 ID:XcT7i+xA0
-
( ^ω^)「この作品は地の文を短くまとめてるお。
表現を二重三重も重ねてないから読みやすいお」
( ^ω^)「このキャラの割り振りはうまいお。キャラが人間味に溢れてるお」
( ^ω^)「行数の空け方は……うーん、この作品の軸となっているテーマは……」
元々、理系の大学で研究をしていたブーンにとって、作品分析は苦にはならなかった。
人気作品のプロットを独自に作ってみたり、キャラの割り振りとAAそれぞれの性格の読解。
また、漫画や、一般小説、小説創作ハウツー本などからもヒントを得た。
( ^ω^)「結局、お話を作るんだから漫画やアニメ、ゲームと通じる所があるお」
こうして、試作品を時々総合に投下しながら、3ヶ月の月日が流れた。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:09:40.47 ID:XcT7i+xA0
-
J( 'ー`)し「ブーン、大学から何か手紙がきてるわよ。
最近、学校にも行ってないけど大丈夫なの?」
(#^ω^)「あー、これをこうやって……違う、違うおおおおおお!!!」
J( 'ー`)し 「ブーン……」
(#^ω^)「うるせぇクソ婆!! 僕は今、研究の真っ最中なんだおおおおお!!!
出ていけぇえぇっぇぇええええ!!!」
ブーンはうまく書けないストレスを、母親にぶつける事もあった。
そんな時、母親は悲しそうな目をして、部屋をそっと出て行ったものである。
(;^ω^)「お? 待てお、この設定にこの型を使えば……」
足元に散らばったレポート用紙を手に取り、思考する。
ブーンはあらゆる漫画やアニメ、ブーン系小説の「型」を取り、最上の組み合わせを探していた。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:13:02.08 ID:XcT7i+xA0
-
( ω )「何だお……頭の中に世界が出来上がっていくお」
それは突然の出来事であった。
浮かび上がった設定が、どんどん頭の中で広がっていく。
( ^ω^)「こ、これは早く文にしてみるお!!」
ブーンはワードを開き、慣れた手つきでキーボードを打つ。
今までとは違う感覚。頭の中に、どんどんストーリーが構築されていく。
大雑把に浮かんでいるそれを、ブーンはプロット(骨組み)にし整理していった。
信じられないほどの集中力。そして、筆の進み。
ブーンは朝方まで、頭の中に出来たプロットを文にする作業に没頭した。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:17:26.06 ID:XcT7i+xA0
-
( ^ω^)「プロットと一話が出来たお……。こ、これは素晴らしいお。
今までとは明らかに手ごたえが違うお」
出来上がった作品は、50話を超えるであろう大作のプロットであった。
これが、後に彼の代表作となる、ブーンはアドレイバーのようですである。
( ^ω^)「書き溜めるお……これほどの大作はじっくり作るお」
ブーンはそう判断し、投下したい欲求を抑えながら書き溜め作業を始めた。
どんな人間でも、出来あがった地点まで見せたい、公表したいという欲を持っている。
しかし、公表してしまえば、すなわち取り返しはつかない。
後になって矛盾に気付いても、やりなおせないのだ。
書き溜めしておけば、書き直しは出来るし、精神的にも余裕が生まれる。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:19:41.60 ID:XcT7i+xA0
-
(;^ω^)「あ、大学のレポート全然やってないお……」
ふと、リアルの事が頭に浮かぶ。
そろそろ大学の方にも行かないと単位が危うい。
しかし、今、頭に浮かんでいる構想を文にしなければ、一生後悔する。
そんな悟りが、ブーンの頭をよぎった。
( ^ω^)「今はそれどころじゃないお。この大作を待っている皆のために。
そして、自分が納得するために、今はこの作品に全てを打ち込むお!!」
それから、ブーンの辛い執筆地獄が始まった。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:23:45.49 ID:XcT7i+xA0
-
一日のうち、15時間を作品の執筆にあてる。
トイレ、風呂、飯。
そういった最低限の行為以外は、全て排除し、執筆に当たった。
(;゚ω゚)「うあああああ!!! 思いつかないもう投下したいおおおおおおお!!!!
乙を! 支援をクレオオオオオオ!!感想をくれおおおおおお!!!」
書き溜め中、何度もそういった病に精神が犯されることがあった。
某スレを見れば、人気作品の話題で持ちきり。
有望な新人がいない、と嘆いている。
ここに、最高の作品がある。
それを、示してやりたかった。今すぐにでも、VIPに投下して彼らの度肝を抜かしてやりたかった。
しかし、ブーンは20話まで書き溜めを終えてから投下する、と強く心に決めていた。
(;゚ω゚)「某スレやまとめサイトはダメだお。意欲を削られるから、禁止するお」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:26:01.86 ID:XcT7i+xA0
-
日に日に、指が痛くなった。
目は充血し、目薬が必須アイテムとなった。
お腹がゆるくなって、何度も腹痛に悩まされた。
腰が痛くなった。猫背になった。髪がぼさぼさになった。
そして、執筆開始から約1ヶ月半。
( ^ω^)「つ、ついに20話まで完成したお……」
彼は、ついに自分の中の第一の目標を成し遂げた。
このとき、すでに大学の留年にリーチがかかっていたことを、彼は知る由も無い。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:28:16.71 ID:XcT7i+xA0
-
(;^ω^)「い、いざ投下だお……」
この時、ブーンは最後の見直しを行った。
誤字脱字は無いか。テンポは丁度いいか。
そうやって見直しているうちに、不安が襲い掛かってくる。
(;^ω^)「本当にこれ面白いのかお? もしかして、凄くつまらないんじゃ……」
読み直す度に、その思いは強くなっていった。
しかし、今更後戻りは出来ない。
ブーンは、震える手でスレを立て、投下の準備へと入った。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:31:20.56 ID:XcT7i+xA0
-
書き溜めの一話分を、震えながらコピペして投下していく。
途中、三十行オーバーで、何度もコピペをやり直した。
ちらほらと、支援が目に入るが、ブーンはあえてそれを見ないようにした。
(;^ω^)「早く投下終わらせて逃げ出したいお」
そして、1時間後。
一話分を投下し終えたブーンは、逃げるように「これで一話終了です」と書き込み、
ベットへ飛び込んだ。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:34:44.80 ID:XcT7i+xA0
-
(;゚ω゚)「あー、きっと乙もつかずにdat行きだお。知らないお。
ブーンは知らないおー全然関係ないおー」
ぶつぶつと呟きながら、自分に言い訳を重ねる。
十分、いやニ十分経った頃だろうか。
ようやく落ち着きを取り戻したブーンは、意を決して自分のスレをリロードした。
( ^ω^)「……お?」
そこに並んでいたのは――――
「乙」
「なかなかいい」
「これは期待できる」
「まとめてもいいですか。いいですね。まとめます」
( ^ω^)「な、なんと」
意外と好評だった。しかも、まとめサイトまで食いついている。
――――なんだ、意外と面白かったのか。
( ^ω^)「やった、やったお!!」
ブーンはこの時、はじめて努力が報われる嬉しさという物をブーン系小説で学んだ。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:38:45.99 ID:XcT7i+xA0
-
それから1週間。
ブーンは書き溜めをしつつ、投下を続けた。
最初は4,5個であった乙や支援も、回を増すごとに増えていき、十話が終わる頃には
絵師もつき、新作のなかで一番人気となっていた。
( ^ω^)「これはいけるお! もっともっと書き溜めるお!」
有頂天になり、どんどん書き溜めるブーン。
しかし、その様子を、不機嫌そうな心持で見守る男が、ネット上に存在していた。
('A`)「気にいらねぇな」
ドクオ・アルドルフ(ペンネーム)
ブーン系に没頭するも、中堅止まり、又はそれ以下と言われ、今や空気と化した作者である。
某スレに在住し、PCと四つの携帯を駆使し叩きや自演をするラドンである。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:42:08.18 ID:XcT7i+xA0
-
('A`)「俺より目立つ奴は、潰しておかないとな」
ドクオはそう言うや否や、行動を開始した。
スレ一覧に表示された、ブーンはアドレイバーのようです、というスレ。
('A`)「さて、はじめるか」
彼の行った行動とは……
ドクオ「それより味噌汁の話しようぜ」
ドクオ「関係ない話すんな、氏ね」
ドクオ「あ?殺すぞコラ」
「ミルナの境遇が俺に似てるわ。俺もばーちゃんしんだ」
ドクオ「まじで? 俺もだー」
「関係ない話すんな。黙って支援」
(;^ω^)「な、なんか全然関係ない雑談されてるお」
自作自演の雑談であった。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:46:30.34 ID:XcT7i+xA0
-
「いい加減自重」
「IDNGうめぇwww透明支援wwww」
ドクオ「この話の面白さがわからない。仮面ライダーのパクりだろ?」
「はいはいアンチ乙」
ドクオ「作者に逆らう奴は消えろ。この作品最高だろ。他のは糞」
「信者きめぇwww」
(;^ω^)「な、なんか喧嘩になってるお。
てか誰も僕の作品読んでないのかお……?」
('A`)「クハハハハ! 早速、アンチと信者が食いついてきやがった」
彼の常勝手段。
それは、信者とアンチによる抗争を起こす事であった。
人気作品には、信者と呼ばれる、その作品の熱狂的なファンが存在する。
対し、その人気がわからず、その作品をけなすアンチという存在もまた存在するのだ。
信者とアンチ。
水と油のような関係の彼らがぶつかれば、当然、スレは荒れる。
そこをドクオ・アルドルフは、自演を使ってうまく煽ったのだ。
民族戦争。ゲームハード戦争。こういった事態は、どの世界でも起こりうるのである。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:50:30.45 ID:XcT7i+xA0
-
彼は今までありとあらゆる作者を潰してきた。
馴れ合いの強かった新人作者に対しては、某スレで
ドクオ「新人の剣と魔術うざくね? 馴れ合いすぎだろ」
「アンチ乙。面白いの書いてからそういうの言えよ」
ドクオ「剣と魔術の作者さん乙です!!」
ドクオ「今立ってる糞スレも剣と魔術じゃねーの? 受けないからって逆切れ笑」
ドクオ「三日更新してない。こりゃ逃亡だな」
ドクオ「どうも、剣と魔術です。何か質問ある?」
剣と魔術「いい加減にしてください。僕はそんなこと言ってません」
('A`)「まんまと引っかかったか」
餌をまき、後はなるようになるだけである。
某スレというものは、一度流れが傾くと、もう止まらない。
暴走した群集は、ある事無い事でっちあげ、叩きまくるのだ。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:53:13.41 ID:XcT7i+xA0
-
「某スレに出てくんなよ」
「剣と魔術ねーわ……もう読まない」
ドクオ「作者が人間として終わってんな。もう書かなくていいよ」
('A`)「ハハハ!! 愉快愉快!」
以後、剣と魔術の更新は途絶え、作者は消えていった。
ドクオは、こういった行為を楽しみを覚えていた。
いつしか、彼にとってのブーン系は、某スレで世論を揺らす事のみになっていた。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 15:57:42.90 ID:XcT7i+xA0
-
……
(;^ω^)「くうぅ……雑談が酷いお。おまけに荒らしもでてるお。
これじゃ普通に読んでる読者さんがかわいそうだお」
投下を終えても、論争は終わる気配を見せない。
ブーンは意を決して、忠告を書き込んだ。
ブーン「雑談や予想は、読者さんの楽しみが減るのでやめてください」
( ^ω^)「これで収まるかお……」
しかし、この発言は、火に油を注ぐ結果となる。
('A`)「……餌に引っかかったな」
ドクオ「上から目線の作者ウザ」
「は? じゃあお前書いてみろよwww」
ドクオ「はいはい信者乙。作者がうざすぎてやってられんわ^^;
この前も某スレで暴言はいてたよな? ID調べたから知ってるし」
(;^ω^)「なんのことだお? 暴言なんてはいてないお」
しかし、ドクオの攻撃は止まらない。
ドクオ「これがその発言のコピペ」
('A`)「ふ、某スレのIDを摩り替えただけのコピペだが、厨房はこれで十分信用するはずだ」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:01:12.36 ID:XcT7i+xA0
-
「これは酷い」
「作者ねーよwwwww」
「待て、俺は作者を信用している。こんな発言はない」
「お前ら馬鹿か? 偽造にきまってんだろ」
ドクオ「どっちにしろつまらん。まとめサイトから消えろ」
「お前らいい加減にしろ」
スレは激しく混乱し、どんどんスレが伸びていく。
不確定な情報に読者は混乱し、もはやカオス過ぎる状態となっていた。
(;^ω^)「なんなんだお。クソ、とりあえず否定しておくお!」
ブーン「僕はそんな発言した覚えはありません」
ドクオ「作者まだ見てたんすかwwwww気になって仕方ないんすかwwww」
「ほら、作者がそういってんだろ!!」
「最近天狗になってんじゃねえの?」
勢いは、止まらない。
まさに、ドクオの描いた通りのシナリオに事は運んでいた。
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:05:03.84 ID:XcT7i+xA0
-
(´・ω・`)「これは大変だ……」
斉藤ショボン。
中学二年生でヴィッパーである彼は、最近見つけたブーン系小説を読むのが日課になっていた。
そして、アドレイバーの熱心な読者……信者でもあった。
(´・ω・`)「作者さんのために、何とかしないと」
ショボンは携帯を取り出し、メールを打つ。
送信した先は、ショボンのオタ仲間である。
(´・ω・`)「頼む、皆、援護してくれ」
「わかった!」
そこから、ショボンとオタ仲間による壮大な援護が始まる。
スレはもはや、800番まで達していた。
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:08:29.19 ID:XcT7i+xA0
-
('A`)「チッ! 信者の動きが激しくなってきたな」
本スレだけに納まらず、某スレにもその話題は飛び火していた。
「アドレイバーの作者かわいそす」
「まとめサイトに直接送ったほうがいいだろアレ」
ドクオ「隔離作品だな。ブーン系の恥さらし」
ショボン「面白い物は面白い。面白いが正義。読者は支援だけしようよ」
('A`)「この即レス……何か後ろで動いてやがるな」
ドクオは長年の勘で、その空気を察知した。
信者が多すぎる。
それも、ただの馬鹿な信者ではない。
巧みに客観性を持ち、かつ流れを分散させようとする発言。
('A`)「……ハハハハハ!! 久々に楽しい夜になりそうじゃねえか!」
ドクオは携帯とPCを同時に操作し、笑いながら情報操作を続けた。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:12:30.75 ID:XcT7i+xA0
-
……
…
朝になった。
結局、某スレも本スレも1000まで達し、一端の決着はついた。
(;´・ω・`)「ハァハァ……徹夜してしまった」
(;'A`)「クソッ! 最後は猫耳萌えの流れに押し流されたか。餌が足りなかったな」
(;^ω^)「うう……もう投下怖いお。あんな流れの中で投下なんて出来ないお」
ブーンは初めての荒らしという経験に、心底疲れきっていた。
今までは、荒らしといっても規模が小さく、スルーするのも容易であった。
しかし、今は沢山の人の思想が絡まりあい、衝突している。
自治しようとする者。反発する者。ただ叩きたいだけの者。意味不明の言葉を羅列する者。
統率を失った群集は、全てを混沌へと誘う最悪の読者と化していた。
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:15:31.39 ID:XcT7i+xA0
-
その日の書き溜めは、あまり進まなかった。
心なしか、食欲もわかず、ブーンはボロボロの体で投下時刻を迎えてしまった。
(;^ω^)「待ってる人がいるお。投下しないと……」
ブーンはスレを立てる。
同時に、あらゆる人々がそのスレに集まってきた。
('A`)「来たか」
(´・ω・`)「キター!!!」
某スレ
「きたぞー!!!」
「毎日頑張るなあ」
他作品スレ
ドクオ「あの作品見てくるので支援やめますね^^」
作者→( ・∀・)「……」
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:18:54.03 ID:XcT7i+xA0
-
――――その日の本スレは、まさに紛争地帯であった。
「小僧寿司チェーンの話しようぜwwwww」
「ktkr!!リアルタイム支援!!」
「つまんねつまんねつまんねつまんね」
ドクオ「つまらないなら見なきゃいいのに。池沼ですか?」
ショボン「男は黙って支援」
某スレ
「俺、空気作者だけど空気でよかったー」
「負け惜しみ乙」
「いや、あの空気はねーわ……」
「粘着がわいてるな。彫れ薬か?」
そのスレの勢いはとどまる所を知らず、VIP内でも上位に達するほどの速さでスレを消費していった。
(;^ω^)「ああああ!! 雑談うぜえええええ!!!
これ投下してる意味あるのかお!?」
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:20:59.07 ID:XcT7i+xA0
-
日に日に加熱していく論争。
某スレを巻き込み、加熱していく荒らしに、とうとうブーンの心が――――折れた。
( ^ω^)「もう……しばらく投下はやめるお。
こんな状況で投下しても、誰も楽しめないお」
休止宣言を、出したのだ。
(;´・ω・`)「そ、そんな」
( ・∀・)「……」
('A`)
('∀`)「ふ、ふふふ……ハーッハハハハハ!!いひひひひっひゃアアア!!!」
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:24:52.66 ID:XcT7i+xA0
-
( ω )「……」
ブーンはそれから書き溜めもやめ、しばらくベットで呆然としていた。
何のために、作品を書いていたんだろう。
何のために、あんなに苦労して書いていたんだ。
結果として生まれたのは、読者同士の憎しみ合い、潰し合いじゃないか。
( ω )「おー……」
僕はただ、ちやほやされたかったんだ。
自分の書いた妄想を、ただ楽しんでもらいたかった。
そして、一銭の得にもならない自己満足に浸りたかっただけなのに。
( ω )「他の平和な作品がうらやましいお」
今では、たとえ少なくとも、支援と乙だけの平和なスレがうらやましく見えた。
純粋に、書くほうも読むほうも楽しむ、あの空間が。
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:28:59.09 ID:XcT7i+xA0
-
休止から、1週間が経った。
未だ絶えないアドレイバー休止の論争。
「読者が作品を潰した」
「某スレのせいだ」
「いや、違うだろ」
あらゆる論争が飛び交い、復活を望む声も未だ多く残っていた。
('A`)「ま、こいつはもう潰れたし、別の標的でも探すか」
ドクオは満足そうに笑い、某スレを覗く。
しかし、そこで話題になっているのはアドレイバーのことばかり。
('A`)「チッ! 潰しがいのある新人は他にいねーのかよ」
まとめサイトを巡回するも、どれもぱっとしない作品ばかりだ。
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:31:51.46 ID:XcT7i+xA0
-
('A`)「……」
ふと、ドクオは物足りなさを感じていた。
アドレイバー。二十話まで投下していたが、あそこまでつぶしが楽しめた作品は未だかつて無かった。
信じられないほどの人気と話題力。
多くの人間が集まっているスレは、祭りのような状態だった。
その近くで雑談する某スレは、いわば祭りの近くの公園。
それが、今はどうだ。
祭りの終わった跡地には、寂れた大地。
祭りの余韻すら残らず、残された人々はむなしさを嘆いている。
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:34:31.84 ID:XcT7i+xA0
-
その影響は、ブーン系全体に及んでいた。
作品が更新されても、某スレが立たなくなった。
どことなく、どの作品も元気が無くなった様に見えた。
('A`)「なんだよ……つまんねぇな」
ドクオはブーン系を開いていたブラウザを閉じ、ニコニコ動画を見る。
画面には、組曲や歌ってみた、などのオナニー動画が映し出されている。
('A`)「……」
心に、穴があいたみたいだ。
ドクオは、PCの電源を切り、今日は早めに就寝した。
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:37:49.74 ID:XcT7i+xA0
-
――……
(´・ω・`)「じゃーねー」
「おう、また明日!」
学校の帰り道。
部活に入っていないショボンは、一人、帰宅する。
(´・ω・`)「……」
PCの電源をいれ、すぐにブーン系のスレ一覧を開く。
(´・ω・`)「やっぱり、きてないか」
ため息をはき、PCの電源を再び切った。
休止宣言から、一週間以上が経った。
アドレイバーの更新がなくなった後、僕は他のネット小説を見て回ったが
どれもイマイチな出来で、次第にネットから遠ざかっていった。
勉強をしたり、友達と遊んだり、文化祭の手伝いをしたり……
楽しかった。毎日が、満たされていた。
しかし、何かが足りない。日常では決して補えない、あの感覚が。
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:39:54.82 ID:XcT7i+xA0
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(´・ω・`)「もう、更新しないのかな」
作品の中で、アドレイバーになったブーンは、今も葛藤し続けてるのだろうか。
敵組織のボス、ロマネスクの過去はどうなっているのか。ツンとの恋は?
(´・ω・`)「……忘れよう」
そうだ、所詮は、素人の書いた小説もどき。
逃亡なんて、よくあることじゃないか……。
そうだ、忘れれば、いいんだ……。
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:42:41.12 ID:XcT7i+xA0
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――……
( ^ω^)「いらっしゃいませー」
ブーン系小説をやめたブーンは、大学も中退しアルバイトをしていた。
余った時間を全てバイトに打ち込み、ネットをする時間を減らしたのだ。
( ^ω^)「……」
今でも、時々思い出す。
アドレイバーになった主人公ブーンが、戦っているシーンを。
( ^ω^)「終わったことだお。それより、これからどうするかお……」
このまま、スーパーに就職でもするか。
そんな事を考えながら、ブーンはバイトを終え帰路に着いた。
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:44:50.40 ID:XcT7i+xA0
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J( 'ー`)し 「おかえり、ブーン」
( ^ω^)「ただいまだお、カーチャン」
家に帰れば、母のおいしい手料理が待っていた。
腹ペコだったブーンは、それをおいしそうに食べる。
J( 'ー`)し 「どうだい? おいしいかい」
( ^ω^)「うんだお。すごくおいしいお」
母親とも、少しずつ話すようになってきた。
小学生のような会話だけど、ブーンにはそれが癒しとなっていたのだ。
( ^ω^)「ごちそうさまだお」
ご飯を食べ終え、自室へと向かう。
( ^ω^)「そうだ、就職のこと、ぐぐってみるかお」
久々に、ブーンはネットを開いた。
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:48:26.95 ID:XcT7i+xA0
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(;^ω^)「やっぱり中退からの就職は難しいかお」
カチカチとマウスを動かし、ブーンはネットサーフィンする。
色んなサイトを回ったが、どこも同じようなことし書かれていなかった。
( ^ω^)「お……」
お気に入りの中に、ブーン系小説スレ一覧、というのがあった。
もう1ヶ月も見ていないそのサイト。
ブーンはなんとなく、そのサイトを開いた。
( ^ω^)「おー、懐かしいお」
そこに並んでいるのは、VIPに投下されている作品だ。
しかし、現行の数は少なく、総合案内も保守ばかりであった。
( ^ω^)「なんか……過疎ってるお」
ブーンはとりあえず、唯一の現行であるスレを開き、ROMることにした。
( ・∀・)モララーが絵本を読むようです
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:50:45.30 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)「……」
その作品は、ありがちな絵本形式の作品だった。
支援もほとんどなく、スレでは淡々と1のレスが続いている。
作品自体は、悪くない。
丁寧に作られており、悪役もいるし、主人公もしっかり性格付けがされている。
( ^ω^)「……支援、全然ついてないお」
同情を感じ、支援を打ってやろうかと思う。
しかし、それすらも面倒に感じ、ブーンはただROMりながら、リロードを押していた。
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:54:02.71 ID:XcT7i+xA0
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その作品は、森の神様であるモララーと、動物達の交流から物語が始まる。
ほのぼのとした場面が続き、しかし、中盤で人間達が都市開発のために、森を壊し始める。
そして終盤。モララーは自らの命を断ち切って、荒れた大地に木々を生やした。
人間達はその光景に驚き、自らの行いを反省し自然との共存を考えるようになる……。
( ^ω^)「奇麗事だお」
純粋な、感想だった。
世の中、こんな綺麗に進むわけが無い。
それが、この作品をイマイチにしているとブーンは感じた。
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 16:55:51.04 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)「もっと人間の醜い部分。そして、死亡とかそういう山場を増やさないと
ただ、よかったねって感じになって終わりだお」
ブーンは無意識のうちに、そのアドバイスをスレに書き込んだ。
場違いな書き込みなのは、わかっていた。
しかし、ブーンは書き込みのボタンを押した。
( ・∀・)「……」
まばらな乙の中、作者から、返信レスが書き込まれた。
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:01:17.12 ID:XcT7i+xA0
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( ・∀・)「確かに、物語としてみればそういうストーリーの方が面白かったかもしれません。
でも、これは僕が考えたストーリーですから、僕の好きなハッピーエンドで終わらせました。
読者さんの中には、あまり面白くないと感じた人もいるかもしれません」
長文による、返信だった。
ブーンは続きを読む。
( ・∀・)「でも、僕は楽しめました。話を考えている時、投下している時、すごく楽しかった。
そして何より、作品を完結することができた。これ以上は何も望みませんし、批評もお願いしません。
僕自身が、一番満足してるんですから」
心が、揺れた。
( ^ω^)「なんでこんなに……楽しそうなんだお」
文面から伝わってくる、生き生きとした作者の言葉。
昔なら、叩かれるのを恐れて発言しなかった作者達。
それが、どうだ。
この作者は、堂々と、自らの考えを述べている。
この作品は、自己満足だ、と。そう言っているのだ。
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:03:57.95 ID:XcT7i+xA0
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( ;ω;)「あ、あ……!!」
不意に、ブーンの心に、初めてブーン系小説を書いた時の気持ちが湧き上がってきた。
自分の思い通りの話が作れて、
好き勝手にキャラを動かして、
伏線も、ストーリーもめちゃくちゃだったけど、完結させて……総合に投下して……
楽しかった。
誰かの為とかじゃなく、自分が楽しいから、書いていたんだ。
何かに縛られる事も無く、自分のやりたいように、書いていた。振舞っていた。
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:06:29.40 ID:XcT7i+xA0
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僕はそのスレに、最大級の気持ちを込めて「乙」と書き込んだ。
乙。
たった、一文字。
だけど、そこに込めた気持ちは、五文字。
( ^ω^)「ありがとう」
ブーンは、しばらく使っていなかったワードを呼び起こす。
時の止まっていた作品に、再び命を吹き込む作業に入る。
( ^ω^)「ごめんな、ずっと、放置してしまってたお」
ブーンがアドレイバーになるようです。
そこに描かれたAA達が、おかえり、と言っているように、ブーンは感じた。
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:09:15.99 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)ブーンがアドレイバーになるようです
いつもの投下時刻。
スレ一覧に、その名前が載った。
ブーン「休止撤回です。また、投下するのでよろしくお願いします」
今度は、誰のためでもない。
自分のために。この作品を最後まで投下するために。
それは、自己満足だ。スレの反応や状態は、読者に任せればいい。僕の口出しする事じゃない。
さあ、始めよう。
最高の、自己満足を。
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:11:18.03 ID:XcT7i+xA0
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川;゚ -゚)「ドクオー!!ドクオ!!!ちょっとこい!!」
('A`)「なんだよ姉貴。永久就職は成功したのか?」
川 ゚ -゚)「そんな事はどうでもいい! 早くVIPを見るんだ!!」
('A`)「あー? 俺、いまFFで忙しいんだよ」
川 ゚ -゚)「いいから早く! アドレイバーが復活してるぞ!!」
ドクオは持っていたコントローラーを落とした。
(;'A`)「な、何だって――――!?」
- 264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:14:21.37 ID:XcT7i+xA0
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「もしもし!? ショボン、見ろよ! アドレイバーが復活してるぜ!!」
(´・ω・`)「ああ。僕も今、リアルタイムで見ているよ」
ショボンはリロードを何回も押しながら、電話で友達と話す。
その声は、心底嬉しそうな声だ。
「おいおい、見ろよ! あの荒れようが嘘みてえだ!!支援とwktkで埋まってるぜ!!」
(´・ω・`)「ああ。僕もいま、必死で打ち込んでるよ」
ショボンはwktkとスレに書き込む。
リロードすれば、画面いっぱいに広がる支援やwktk、どうなる!?とかミルナァァァ!などの叫び声。
(´・ω・`)「世界が、広がっている……まるで、アドレイバーの世界の中にいるみたいだよ」
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:17:13.48 ID:XcT7i+xA0
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(;'A`)「ちっきしょー!! 待たせやがってようやく復帰かよ!!」
川 ゚ -゚)「どけ! 私が先に見るんだ! 続きが気になって仕方なかったんだぞ!」
('A`)「やかましい! 俺だって徹夜で読んじゃって何回も読み直してるんだ!!」
川#゚ -゚)「だまれラドンが! 作品も書かないくせに偉そうに!」
(;'A`)「うっせー! 次回作の参考にすんだよ!!」
PCを取り合い、ドクオとクーはてんやわんやしている。
足払いをかけ、素早くPCの前に陣取ったクーは、ある言葉を打ち込んだ。
川 ゚ -゚)「支援!」
- 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:18:47.60 ID:XcT7i+xA0
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( ゚∀゚)「何だこのパートスレ……」
( ,,゚Д゚)「すげぇ。支援ばっか」
ミ,,゚Д゚彡「つーかめっちゃ伸びてね? 面白いのかな」
普段はブーン系などに見向きもしないヴィッパー達。
しかし、空気を読み、流れに乗る彼らは、ある言葉を書き込んだ。
( ゚∀゚)( ,,゚Д゚)ミ,,゚Д゚彡「支援!!」
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:21:18.07 ID:XcT7i+xA0
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( ・∀・)「本当に面白い作品だ」
モララーは、本業である絵本を描く手を止め、PCに食い入るように見入っている。
( ・∀・)「俺も、人の心に呼びかけるような絵本を書きたいぜ」
彼もまた、想いを込めて二文字の言葉を打ち込む
( ・∀・)「支援、と」
- 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:25:03.94 ID:XcT7i+xA0
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あらゆる人々が、そのスレに集結した。
ブーン系を見放し、それでもROMしていた人々が。
作品を破棄し、己に諦めをつけていた人々が。
まとめサイトを管理している、中の人が。
いつもは叩きをしている人々が。
彼らには、共通点があった。
それは、ブーン系小説が、好きだという事だ。
それらの想いを呼び起こしたのは、一つの、しかし壮大な作品。
それを取り巻く、全てのものが物語となり、皆の気持ちを一つにまとめたのだ。
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:28:17.47 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)ブーンがアドレイバーになったようです
ブーン系を復活させたと言われた名作は、それから毎日のように投下され、
僅か一ヵ月後に完結した。
最後のスレには、乙という文字がずらりと並んでいた。
以降、過疎っていたブーン系小説は再び息を吹き返し、新しいまとめサイトも生まれた。
当然、某スレも立ったし、叩きや馴れ合いもいまだに存在している。
しかし、それでも彼らは、ブーン系が大好きなのだ。
だからこそ、無くならない。
だからこそ、彼らは今日も書き続ける。
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:30:47.58 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)「楽しい事も、辛い事も、全部含めてブーン系小説なんだお。
叩かれて辛い? そう言う時もあるお。だけど、そんな時は思い出して欲しいお。
書いている時の、あのwktk感を。あの楽しさを。きっと、君は大丈夫だお。さあ、一緒にブーン系を楽しもうお!」
- 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/01/06(日) 17:31:59.28 ID:XcT7i+xA0
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( ^ω^)ブーン小説作家のようです
全てのブーン系小説に、乙。
そして、これからのブーン系小説に……
「「支援!!」」
( ^ω^)ブーン小説作家のようです
Fin