喪黒福造の憂鬱-古泉編

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:35:23.12 ID:O2wowKnOO
【古泉一樹(15)超能力者】


最近、急に機関の動きが慌ただしくなったとは思っていたが、まさかここまで深刻な事態になっていたとは……

涼宮ハルヒの消失、朝比奈みくるの変化、長門有希の暴走……
その全てに、ある人物が関係していることは間違いない。

喪黒福造……以前から機関もマークしていた人物だが、油断していた。
この数年は目撃情報もなく、活動を休止しているとあったが……何という失態だろうか。異変に気付くのが遅すぎたのだ。

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:37:58.63 ID:O2wowKnOO
僕は、機関を離れ学校を休み、独自に彼の調査を始めた。
しかし、全くと言っていいほど、その素性はようとして知れない。
喪黒福造と関わりのある、ないしは、あった人物を訪ねても、誰一人、住所、生い立ち、年齢など、彼の詳しい情報を知る者はいなかった。
(福次郎という弟の存在が確認されているが、彼もまた神出鬼没であるため接触するのは困難だろう)

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:39:00.96 ID:O2wowKnOO
それも仕方のないことかもしれない。
機関に登録されている情報さえ、目撃情報から推定される出没地域や被害報告、この程度なのだ。
謎の人物、いや人かどうかさえ疑わしい。被害者の話を聞く限り……と言っても、今も会話が可能な被害者に限られる話だが、
彼は人間の心どころか、時間や空間、そして物質の情報を自在に操ることができるように思える。

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:40:37.39 ID:O2wowKnOO
恐らく、彼がその気にさえなれば、この世界を崩壊させることも造り変えることも可能だろう。
それをしないのは、自身の愉悦のためなのだろうか……

古泉「……それで、実際のところはいかがなんです? 喪黒さん」

喪黒「ホッホッホ、よくそこまでわたしのことを調べましたねぇ」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:42:05.91 ID:O2wowKnOO
古泉「いえ……結局、何もつかめていませんよ。喪黒さん、あなた、何者なんですか?」

喪黒「ホッホッホ……わたしの名は喪黒福造……人呼んで『笑ゥせぇるすまん』
ただの『せぇるすまん』じゃございません。わたしの取り扱う品物はココロ、人間のココロなのです」

古泉「セールスマン、ですか……あなたの目的は、一体?」

喪黒「この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり……
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めするのが、わたしの仕事なのです」

古泉「なるほど……それで、その代償が……」

喪黒「いえいえ、代償だなんてそんな……お客様が満足されたら、それが何よりの喜び、報酬なのです」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:43:34.11 ID:O2wowKnOO
古泉「おためごかし、というやつですか」

喪黒「すべて真実ですよ、古泉さん」

古泉「正直、僕はあなたに対して、非常に激しい怒りを感じている。
……SOS団の皆さんは、嫌いではなかったものですから」

喪黒「おやおや……それは、とんだ言い掛かりですな。わたしは彼女たちのココロのスキマをお埋めしただけなのですがねェ」

古泉「……機関からは、遭遇しても手を出すなと言われていましたが、僕は、あなたを倒したいと考えています」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:44:22.87 ID:O2wowKnOO
喪黒「まあまあ、落ち着いてくださいな、古泉さん……」

古泉「僕はそれほど穏やかな人間ではありませんので」

喪黒「ホーッホッホッホ、人は見かけによりませんな。よろしい……」

フッ……

古泉「消えた! どこに!!?」

喪黒「後ろですよ、後ろ」

古泉「いつの間に……!」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:45:26.19 ID:O2wowKnOO
喪黒「古泉さん……仕事熱心なのは結構ですが、あなた少々働きすぎではないですか?
どうです、ここらで長い長い休暇をとってみては?」

古泉「あなたを始末した後なら是非そうしたいものですがね……!」

喪黒「本当に真面目なお方ですねぇ……
仕方ありません、何の心配もないところでゆっくり休めますように、わたしが手配させていただきましょう!」

ド―――――ン!!!

うあああああ……!!!

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:48:20.16 ID:O2wowKnOO
古泉「うん……ここは……? そんな! 閉鎖空間!? どうしてこんな所に……
な、何だこの空間は……! 一体、どこまで広がっているんだ!!?
! 出られない…どうして!?
ああ……そうか、喪黒福造が……
ふぅ……まさか、閉鎖空間まで造れるとは思いませんでした……さて、どうしたものでしょうかね……」


喪黒「いやぁ、超能力者の仕事というのも大変なものですな。
しかし、穏やかなる世界のためとはいえ、彼は少しばかり、やりすぎてしまったようです。
まったく、仕事熱心すぎるというのも困りものですねぇ!」

ホーッホッホッホ!!

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2008/03/02(日) 02:56:01.28 ID:O2wowKnOO
わたしの名は喪黒福造……人呼んで『笑ゥせぇるすまん』
ただの『せぇるすまん』じゃございません。わたしの取り扱う品物はココロ、人間の心でございます。


この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり……
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます

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