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('A`)豚のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:06:03.19 ID:RIOBuyut0
 
とある豚小屋に、誰よりも醜い豚が居た。
ドクオという名のその豚は、もうなんつーか可愛そうなくらい醜かった。

( ^ω^)「生理的に無理」

(´・ω・`)「無いわ……」

ξ゚听)ξ「ぶっちゃけ死んで欲しいわね」

('A`)「ブヒヒ」

顔は笑っているが、心では泣いていた。
悲しすぎる豚だった。


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:08:51.67 ID:RIOBuyut0
  
( ^ω^)「この前、隣の豚小屋の♀豚とやってさー」

(´・ω・`)「はいはい自慢乙」

ξ゚听)ξ「酷いわブーン。私と一緒に300キロを超える子供を育てようって言ったのに!
     でも、そういうフリーダムな所が素敵!」

('A`)「ブヒヒ」

( ^ω^)「お? 何盗み聴きしてんだおこのクソ豚! あっちいけお!」

('A`)「す、すいません」

ドクオは群れに入れてもらえなかった。
近寄るだけで、ボス豚のブーンにひずめでひっかかれて泣いていた。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:11:29.12 ID:RIOBuyut0

( ^ω^)「餌うめぇwwww」

('A`)「ブヒヒ」

( ^ω^)「あ? なんだお、その目は」

('A`)「……」

( ^ω^)「おめーの餌ねーからwwwwww」

ドクオは他の豚よりやせ細っていた。
餌も満足に食えず、ストレスのせいか体の色も紫色だった。

「これはひどい」

('A`)「ブヒヒ」

豚小屋のオーナーもこれには苦笑い。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:15:14.26 ID:RIOBuyut0
 
俺、なんの為に生まれてきたんだろ?
ドクオは夜空に輝く星に問いかけた。答えは返ってこなかった。

('A`)「死んでやる……」

首吊り自殺を図ろうとしたが、豚には不可能である事は言うまでも無い。

('A`)「神は死すら許してくれぬのか。俺に苦しみ続けろというのか」

ドクオは静かに泣いた。
醜い豚が泣いても醜いだけで、誰も同情などしなかった。

いいんだ。俺は憎まれる為に生まれてきたマリオネット……。
皆を幸せにする為に必要な憎まれ役さ。

そんなある日の事だった。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:18:28.48 ID:RIOBuyut0
 
川 ゚ -゚)「う、ひどい臭いだ」

一人の女の子が、豚小屋に姿を表した。
なかなかの美人であり、将来が楽しみな風貌であった。

( ^ω^)「うほwwwww可愛い人間ktkrwwwwぶひひひひ」

これにはロリコンの雄豚も大盛り上がり。
豚小屋はまたたくまに独特の匂いに包まれた。

川 ゚ -゚)「可愛そうに。皆、食べられてしまうんだな」

「そうだよ、クー。それで僕達は飯をくってるんだ」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:21:57.51 ID:RIOBuyut0
 
「それじゃ、トラックに運ぼうか。逃げられないようにしっかり掴むんだぞ」

川 ゚ -゚)「わかった」

そう言って、二人の人間は豚を運び始めた。

( ^ω^)「うほwww引越しktkrwwww」

川 ゚ -゚)「これは大きい豚だな」

「ああ。高く売れそうだ」

次々と豚はトラックに運ばれていった。
そして、ついにドクオの元にもクーの手が伸びた。

川 ゚ -゚)「なんだこいつは。異常なまでに貧相な上に紫色だぞ」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:25:05.62 ID:RIOBuyut0
 
「ああ、そいつはダメだ。商品にならんから置いとけ」

('A`)「ブヒヒ」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「な、なんすか?」

クーはドクオを持ち上げたまま、しばらくその醜い面を眺めた。

川 ゚ -゚)「可愛い」

('A`)「え?」

「え?」

川 ゚ -゚)「父上。こいつをペットにしてもいいか?」

('A`)「なん……だと?」

てっきり皆と一緒に処刑されると思っていたドクオはビックリ仰天。
まさに棚から牡丹餅である。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:27:07.83 ID:6/tWflcO0
処刑気付いてんのかww

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:29:23.05 ID:YtpbbRLhO
父上ww

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:30:31.83 ID:RIOBuyut0
 
「自分で世話をするなら構わんが……本当にそんなのを飼うのか?」

川 ゚ -゚)「うむ。もう決めた。こいつの名前は?」

「ドクオだ」

川 ゚ -゚)「よし、ドクオ。今日からお前は私のペットだ」

('A`)「これなんてエロゲ?」

もしも人生に一度だけ奇跡が起きるとするなら、まさに今この瞬間に起きたのだろう。
ドクオは神に感謝した。餌すらまともに食えない家畜生活から一転、ペットという上流階級に自分だけなれるのだ。

('A`)「あばよ豚ども。せいぜいトンカツにでもなりな」

(´・ω・`)「トンカツ? おいそれどういう(ry」

「おら、暴れるな」

ドクオだけは、いずれ自分達が食される事を知っていた。
他の豚にとっては、寝耳に水だろうけれど。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:34:03.97 ID:RIOBuyut0
  
川 ゚ -゚)「ここが私の家だ」

('A`)「なんという貴族……」

クーは、代々農業とか家畜とか色々やってる金持ちの一人娘だった。
当然、家はお屋敷レベルのゴージャスバリバリである。

('A`)「絨毯やわらけぇwww藁とかじゃもう寝れねぇwwww」

川 ゚ -゚)「こら、転がるな。まずはシャワーで体を洗ってからだ」

――ドクオ入浴タイム。残念ながらクーは服を着たままだった。

川 ゚ -゚)「ご飯だ」

('A`)「何という御馳走……」

「おい、それは私の飯だぞ」

川 ゚ -゚)「あ、父上すまん。ドクオにあげてしまった。ごめんっち」

「ごめんっちならしょうがない」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:44:58.66 ID:RIOBuyut0
 
こうして、ドクオは幸せに暮らしましたとさ。
と言っては話が終わってしまう。『今』は幸せに暮らしていました、とでも言っておこう。

川 ゚ -゚)「ふう。ドクオに座りながらテレビを見るのは最高だな」

('A`)「重ひ」

川 ゚ -゚)「ふー、まったり」

('A`)「潰れる」

あんまり存在を尊重されていなかったが、それでも豚小屋の生活より何倍もマシだった。
そして何故か、ドクオはクーに惹かれていた。
豚が人間に惚れるというのはかなり異常なケースである。常識的に考えて。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:47:47.63 ID:RIOBuyut0

('A`)「クー……その、話があるんだけど」

川 ゚ -゚)「飯はまだだぞ」

('A`)「実は俺、クーの事が……そ、その、好きっていうか」

川 ゚ -゚)「うるさいな。さっき食ったばっかだろう」

('A`)「俺と結婚してくれ!一緒に未来を切り開こう!」

川 ゚ -゚)「全く、食い意地がはってきたなこいつめ」

('A`)「……ブヒ」

勇気を出して告白してみても、まぁ豚の言葉を人間が理解できるはずが無い。
その逆もまたしかり。しかし、ドクオは人間の言葉を理解する事が出来た。
何故なら、私にとっても彼はまた特別な存在だからです。


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:51:11.32 ID:RIOBuyut0
 
('A`)「いいんだ。俺はどうせ豚なんだから。どくを」

ドクオは自分の気持ちをポエムったりと、だいぶ恋の病は進行中のようであった。
豚と人間の恋など、叶わぬ夢だ。こうして、ペットとして一緒にいられるだけでも、俺は幸せだ。

ドクオは、そう自分に言い聞かせた。

「よう豚」

('A`)「お父さん……」

「最近さぁ……クーはおまえばっかり構って、私には構ってくれないんだよなぁ」

('A`)「ブヒヒ」

「実際、捻り潰したいほど嫉妬してる」

('A`)「本当にすいませんでした。その手に持ったチェーンソーを置いてください」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:53:40.05 ID:YtpbbRLhO
嫁に行くとき本当に殺人を犯しそうな父親だなww

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 19:56:27.94 ID:RIOBuyut0
    
「まぁいいんだよそれは。父親のエゴってやつさ」

('A`)「そうですか」

「お前がきてから、クーも少しは笑うようになったし……べ、別に感謝なんてしてないけどねっ!」

('A`)「何といういらないツンデレ」

ドクオとクーの父は、ベランダで夜空を見上げながら話す。
豚と話す人間というのは、他の人から見たらアブナイ人にしか見えないのだがそれは置いておく。

「クーは今でも、気に病んでるんだよ。彼の事を」

('A`)「か、彼!?」

ドクオ、この瞬間に失恋す。
人生なんてそんなもんさ。クーの父はそんなドクオの失恋などに気付くはずも無く続ける。

「彼はクーを庇った。だから今、こうしてクーは生きている。だけど、クーは自分が殺したのだと思い込んでいるんだよ」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:01:47.24 ID:RIOBuyut0
  
('A`)「ブヒ……?」

ドクオはいまいち話の要領が掴めなかった。

「私は彼に会った事はないが、いつもクーは彼の話をしていた。悔しいけど、クーは彼に恋してたのかもしれんなあ……。
 お前、分かるか? 愛する人を失った女の哀しさを。あの子はまだ13歳だぞ? 受け止められるはずが無い」

('A`)「は、はぁ」

「お前をペットにすると言った時は、こんな汚ねぇ豚飼うなんてとんでもない! って気持ちだったんだが
 今ではとても感謝しているよ」

('A`)「どうも」

そういって、クーの父は煙草をふかした。
ドクオはなんだかしんみりした。
話はよく分からなかったが、クーが色々へビィな過去を抱えていると言う事だけは分かった。

ドクオは、明日からもっともっとクーと遊ぼうと思った。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:05:52.52 ID:RIOBuyut0

ところが、翌日。

川 ゚ -゚)「あいててて……何か胸が痛い」

「何!? お父さんに見せてみろ!」

('A`)「何!? 俺に見せてみろ!揉ませろ!」

川 ゚ -゚)「病院に行きます」

息遣いを荒くした男連中をスルーして、クーは近くの病院へと向かった。
どうせ鉄分不足からくる軽いもんだろう、と思っていた。

そんな訳ないのにね。

診療した医者はすぐに、父を呼んだ。


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:09:54.06 ID:RIOBuyut0

「心臓病が再発しています」

医者は言った。
クーの父から表情が消えて、顔色はハワイの海みたいに青くなった。

('A`)「心臓病?」

ドクオは最初、ドッキリカメラか何かと思っていた。
実はここにいる全員が仕掛け人。ネタ晴らしされた父親は苦笑い。

しかし、いつまでたっても看板を持ったネタ晴らし人は現れなかった。

「お嬢さんには入院が必要です。あと豚を病院にいれんといて」

問答無用で、クーは入院させられた。

ドクオは豚故に、病室に入ることはできなかった。
主人のいない部屋で、一人じっとしている毎日が続いた。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:10:57.58 ID:yWsXbf1P0
ずいぶん人間界の事情に精通した豚だなwwwwww
ドッキリカメラとかwwwww

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:12:12.81 ID:v/mFTm+6O
ベイタースオリジナルwwwwwwwwww

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:12:28.47 ID:9fd7RulX0
食べられる事も知ってるし、頭良すぎだろww

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:13:38.98 ID:JNmDjqIEO
どうせ鉄分不足からくる軽いもんだろう、と思っていた 

豚のレベル越えてるww

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:14:48.04 ID:RIOBuyut0
   
数日後、クーの父が帰って来た。

('A`)「おい、クーはどうなったんだ!?」

「……」

クーの父は、何も言わずソファーに寝転がった。

「おかしいよね。何で大昔に完治した心臓病が再発するんだろうね」

('A`)「……」

「しかも今回は治しようがないとか、アホかと。バカかと」

意味が分からなかった。
何でいきなり、こんな事になるんだよ。
今時、不治の病とか、スイーツ小説でもねえよ。せいぜいワンパな医療ドラマくらいだよ。

ドクオは居ても立っても居られず、病院目指して走り出した。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:19:08.23 ID:RIOBuyut0
 
「キャー!!豚よ!!」
「早く捕まえろ!!」
「飛ばない豚はただの豚だぞ!!こいつはただの豚だ早くつかまえろ!」

('A`)「うるせーよ」

ドクオは騒ぐ人々をすいすいとすり抜けながら、クーの病室を探した。
重病患者は、別棟にいる。そして、病室の前には名札がある。
手がかりはそれだけだったが、幸いにもすぐにクーの病室は見つかった。

('A`)「クー!!」

川 ゚ -゚)「……ん?」

('A`)「よ、よう」

ベットに横たわったクーの顔は、やつれていた。
たった数日で、こんなに人間の顔が変わるというのか。

見違えた姿に、ドクオの醜い顔が涙と鼻水で更に醜くなった。




51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:22:24.59 ID:RIOBuyut0
 
川 ゚ -゚)「ドクオか……。私を見舞いにきてくれたのか?」

('A`)「クー」

川 ゚ -゚)「お前の顔が見れて、ごほ、嬉しいぞ」

そんな死ぬ寸前の親父役みたいな台詞言うなよ。
そう言おうとしたが、クーは見るからにあと数日も持ちません、みたいな状態だったので言わないでおいた。

川 ゚ -゚)「飯はちゃんと食べてるか?」

('A`)「俺はいいから、自分の心配しろよ」

クーにはブヒブヒ言ってるようにしか聞こえないだろう。
カッコいい台詞を言っても、何の意味はない。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:26:30.69 ID:RIOBuyut0
 
川 ゚ -゚)「私は、死ぬんだろうな」

('A`)「え?」

川 ゚ -゚)「死ぬのは怖くない。私はあの時、交通事故で死んでいるはずだったんだから」

クーは窓の外を見ながら、呟いた。

川 ゚ -゚)「昔な、いじめられていた私を救ってくれた男の子がいたんだ」

('A`)「……ぶぎぃ」

例の元彼か。
ドクオの心にギガデインくらいのダメージが襲い掛かった。

川 ゚ -゚)「その子の名前も、どこに住んでいるのかも知らなかった。
     だけど、彼は私と遊んでくれた。私は彼が大好きだった」

ドクオの心にマダンテ級のダメージが降り注ぐ。
デスピサロも真っ青のハートフルボッコである。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:29:41.08 ID:RIOBuyut0

('A`)「イケメンですね、わかります」

世の中は顔だ、と言う事は身をもって承知している。

川 ゚ -゚)「彼はお世辞にも顔立ちが良いとはいえなかったが、優しい人だった」

('A`)「何故だろう。俺、今ならその人を許せるかもしれない」

川 ゚ -゚)「でも、彼は私が殺してしまった。私が信号無視をしたから、彼は……」

クーの瞳から涙がこぼれる。
ドクオは思わずあたふたとしてしまうが、豚なのでどうしようもない。

川 ゚ -゚)「だから、もういいんだ。私はもう覚悟は出来ている。
     綺麗な顔してるだろ……死んでるんだぜ、これ。といって看取ってほしい」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:32:04.44 ID:q5CyvfB50
なんというタッチw

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:32:20.40 ID:c+02zMXp0
ドクオの心変り早すぎワロタ

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:33:37.54 ID:RIOBuyut0

……



('A`)「はぁ」

ドクオはクー家のベランダで、一人ため息をついていた。
この人生で唯一、優しくしてくれた人が死にそうになっている。

('A`)「豚には何も出来ませんよ……ぶひぶひ」

こんなクソみたいな醜い豚が生きて、あの優しいクーが死ぬ。
世の中、おかしいと思わないか? いや、おかしい。

('A`)「神様、クーを救ってくれバカヤロウ。死なせたらただじゃおかんぞ」

空に向かって、凄んだ。その時だった。

ミ,,゚Д゚彡「何、神様脅してんだよ」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:35:09.52 ID:6/tWflcO0
急展開ワロス

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:36:19.48 ID:RIOBuyut0
 
('A`)「誰だお前は」

ミ,,゚Д゚彡「見ての通り狼ですが何か?」

('A`)「いくら田舎でも狼はおかしいだろう常識的に考えて……」

銀色の毛を生やした、犬の進化系みたいな奴がベランダの下、庭の辺りに座っていた。

('A`)「いっとくけど、俺を食ってもうまくないぞ」

ミ,,゚Д゚彡「別に食わねぇよ。お前まずそうだし」

('A`)「なんかブスにきもいって言われた時と同じような苛立ちが」

ミ,,゚Д゚彡「まあまあ、落ち着けって。それより、お前なんで神様に脅しなんかかけてたんだ?」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:41:06.74 ID:RIOBuyut0
  
ひょうひょうと狼は言った。
せっかくのシリアスな空気が台無しである。

('A`)「ちょっとうちの主人が死にそうでね。神様にお願いしてたんだよ」

ミ,,゚Д゚彡「脅してただろうが」

('A`)「別に何でもいいんだろ。早くあっちいけよ野良狼。しっし」

ドクオは短い足で、しっしとやる。

ミ,,゚Д゚彡「ひでえなあ。いいよ。お前も神様っぽい人のとこ連れてってやろうかと思ったけど、いいよ。
      一人でいくよ。俺は一匹狼さ」

('A`)「ちょっとまってほしい。kwsk聞かせてもらおうか」

ミ,,゚Д゚彡「おぉっと、食いついたな?」

('A`)「全力で釣られるのが醜い豚だ」


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:45:28.73 ID:RIOBuyut0
 
狼の名はフサギコと言った。
フサギコは山の奥にいる神様っぽい人に会いに行くらしい。
なんでも、最近抜け毛が激しいから治してもらいにいくとか。

('A`)「三行で説明するのが豚クオリティ」

ミ,,゚Д゚彡「何言ってんだお前」

('A`)「いや、独り言だよ。それよりもさ」

ミ,,゚Д゚彡「何だ?」

('A`)「お前、まさか俺を食うつもりじゃないだろうな」

もしも自分が狼だったら、獲物をとるために餌でおびき寄せて、自分の巣まで連れて行って楽に食すね。
つまり、神様どーのこーのは嘘で、これは俺を食うための罠って推理だ。どうだ? 名推理だろう?

ミ,,゚Д゚彡「疑り深い奴だな。お前、ひぐらし好きだろ」

('A`)「ひぐらし?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、こっちの話だ。別に罠とかじゃねーよ。いやマジデ」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:46:22.59 ID:9fd7RulX0
なんなのこの生き物たち

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:48:45.62 ID:RIOBuyut0
  
('A`)「じゃあどうして。豚に貸しを作ってもしょうがないだろ」

ミ,,゚Д゚彡「いや、そうじゃなくてよ。なんつーか。お前とは同じ穴のムジナっていうか」

('A`)「あぁん?」

フサギコはそんな事を言ったっきり、黙り込んでしまった。
豚と狼のどこに接点があるんだか。意味不明である。

ミ,,゚Д゚彡「ここからキツイぞ」

('A`)「げ。ここを通るのかよ」

山の奥深くは、険しい谷になっていた。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:51:52.34 ID:RIOBuyut0
 
登山、というよりもはやロッククライミングだった。
なにせ足が短いもんだから、小回りが効かないわバランス悪いわで何度も落ちかけて、フサギコに助けてもらった。

今だかつて、こんな地獄を味わった事は無かった。

それでも、クーの為にドクオは必死こいて谷を登った。
もうすでに振られてるのに、愛する女の子の為に頑張る俺カッコイイ、みたいな心境なのだろう。

('A`)「ハァハァ……ひずめが割れちまったぜ」

谷の更に奥、滝の裏に隠れた洞窟にたどり着いたときには、すでに満身創痍であった。


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:55:02.05 ID:RIOBuyut0
 
('A`)「で、ここに神様がいるのか?」

ミ,,゚Д゚彡「神様というか、森限定の神っぽい人というか……会えばわかるよ」

そう言って、フサギコは大声を出す。

ミ,,゚Д゚彡「おーい、ロマネスクさーん!!」

( ФωФ)「うるせえええええ! 新聞ならいらねーっつってんだろ!」

中から出てきたのは、天狗だった。
真っ赤なお鼻の天狗さんである。これにはドクオもびっくり。

('A`)「頭のおかしい人ですね、わかります」

( ФωФ)「誰がおかしい人だ! ワシは神に近いと言われてる天狗であるぞ!」

胡散臭さマックスだ。変なツボとか売りつけられるに違いない。


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 20:58:27.27 ID:RIOBuyut0
  
( ФωФ)「その目は信じてないな? よし、いいだろう。わしの力を少しだけ見せてやる」

出血大サービスだ、と言って、自称天狗のじーさんは小槌を取り出した。

( ФωФ)「これはな、なんと振ると体の大きさが変わる小槌じゃ!」

('A`)「某おとぎ話のあれ?」

( ФωФ)「むう、そこらへんは著作権上の問題で伏せておく。これ、あれだし。海賊版だし」

ますます怪しい。が、天狗が自信満々に俺に向かって小槌を振ると。

('A`)「お、おおお! 体が巨大化したぞ!」

ミ,,゚Д゚彡「狭い狭い狭い。潰れるって」

( ФωФ)「ぐおおお! 大きくしすぎた! も、戻れほほいのほいっと!」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:00:07.09 ID:v/mFTm+6O
著作権ないわwww

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:02:10.72 ID:RIOBuyut0
 
洞窟が崩れる前に、何とかドクオは元に戻った。

( ФωФ)「これで、ワシが神に近い存在であるとわかっただろう?」

('A`)「まぁ、一応は……」

半信半疑ながらも、あの小槌で巨大化したのは事実だ。
トリックの可能性も考えられるが、残りページが残り少ないので都合により省略する。

( ФωФ)「で、ここにきたと言う事は、ワシに用があるんじゃろう?」

ミ,,゚Д゚彡「はい。そうです。実は最近、抜け毛が激しくて」

('A`)「いや、話的にここは俺の頼みを先に聞くだろJK……」

ミ,,゚Д゚彡「あ、すまん。主人公はお前だったな、悪い悪い」

よく分からんことをいいつつも、フサギコは一歩後ろに下がった。
かわりに、俺が天狗の前に座る。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:05:52.10 ID:RIOBuyut0
 
……



( ФωФ)「――つまり、お前はその女を助けたいと言うのか?」

('A`)「そうだ」

頼みを伝えると、天狗は赤い鼻をさすりながら言った。

( ФωФ)「うーん、命を助けるとなると、それなりの代償が必要になるのう。
      ほら、等価交換ってやつよ。ハガレンの」

('A`)「等価交換……?」

( ФωФ)「要するに、誰かの命を救うなら、誰かの命をあげなきゃだめってことだ。
      まあ、その理屈以前に誰かの運命をかえるってことは、違法行為なんだけどね。神様のルール的に」


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:12:11.66 ID:RIOBuyut0
  
ミ,,゚Д゚彡「いやぁ、そこは神様界のP2Pと言われたアングラ天狗様ですから、ごまかせるでしょう?」

( ФωФ)「いや、最近取締りが厳しくてな。この前も、強くて人生ニューゲームしてた奴が捕まってたし……」

('A`)「出来るのか? 出来ないのか? はっきりしてくれ。時間がないんだ」

苛立った様子で、ドクオは言った。
今、この瞬間もクーの命は削られている。そう思うと、いてもたってもいられなかった。

ドクオの真剣な態度に、天狗もシリアスモードになる。

( ФωФ)「もし、お前が命を差し出すなら、彼女を救う事は可能だが……それでいいのか?」

('A`)「ああ」

覚悟は出来ていた。
こんな醜い豚のクソみたいな命で、クーが救えるのなら。
唯一、希望をくれた人に恩を返せるのなら、安いもんだ。


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:17:09.19 ID:RIOBuyut0
  
ミ,,゚Д゚彡「かっこいいね、お前。いいよ、凄く気に入った」

フサギコは、ばんばんとドクオの背中を叩く。

ミ,,゚Д゚彡「お前に会えてよかったよ。俺、ずっとこれでよかったのかって悩んでたけど、
      お前見ててそんなもん吹っ飛んだわ」

('A`)「よく分からないけど、ありがとな。ここまで連れてきてくれて」

ミ,,゚Д゚彡「なーに、気にすんな。仲間だろ」

仲間、か。

('A`)「せっかく仲良くなったのに、お別れってのもあれだけどな」

ミ,,゚Д゚彡「安心しろよ。本当は俺、お前を食ってやろうと思ってたんだ」

('A`)「そうか。俺もそうなんだろうと思ってたよ」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:21:33.28 ID:RIOBuyut0
 
そう言って、俺とフサギコは沢山笑った。
可笑しかった。ただ一緒に谷を越えただけなのに、仲間意識が芽生えちゃって
おまけにすぐお別れだ。死亡フラグの一つでも言っておけばよかったと、今さら後悔する。

( ФωФ)「それじゃ、もういいか? 他の神様連中に見られる前に、こっそりやっちまおうじゃないか」

('A`)「ああ、頼むよ」

( ФωФ)「それでは、森羅の鏡に自分の姿をうつすがよい」

天狗はボロっちい鏡を取り出し、それを俺に渡した。
覗き込んだ瞬間、電撃がヒヅメから体中に伝わる。

('A`)「うぐっ・・・ひぎぃ!」

( ФωФ)「ちょっと痛いが我慢しろ。これで、お前の救いたい女は救われる」

('A`)「そ、そうかい。そりゃ、よかった」

ビリビリと体が痺れ、感覚が麻痺していく。
鏡が光り始めた。たぶん、何か鏡の中で不思議な事がおこっているのだろう。


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:25:05.80 ID:RIOBuyut0

不意に、走馬灯が過ぎった。
死亡する直前に、よくあるパターンである。俺は落ち着いて、その光景を楽しんだ。

ブーンとかツンとかショボンとか、今はトンカツになっただろう畜生共との楽しい豚小屋生活。
自殺しようとして無理だった事に気付いたあの日の夜。
クーに拾われて、世話してもらったり遊んだり云々。

何も感じなかったといったら、嘘になる。
でも、豚が泣いても醜いだけだ。だから、俺は鳴いた。

('A`)「ブヒーーーー!」

絵にならねーな、これ。

本当に絵にならないですね。

え? 誰だよ。今は俺の一人称だろ?
ドクオはそう思い込んでいた。ところがどっこい、今は神視点なのである。



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:27:22.92 ID:RIOBuyut0

('A`)「あ、あれ?」

( ФωФ)「あれ?」

ミ,,゚Д゚彡「……おい。止まったぞ」

突然のストップに、全員アホみたいに口を開いていた。
そこに神が姿を現した。神々しい衣服を身に纏った神、名をモララーという。

( ・∀・)「よくもまあ、勝手に色々とやろうとしてくれちゃって」

( ФωФ)「か、神!!」

天狗が腰を抜かした。無理もない。私は神なのだから。所謂ゴット


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:30:33.03 ID:RIOBuyut0

( ・∀・)「あのさー、こういう命のやり取りとか、死の回避は禁止っていったでしょー。
     死神部門とか、運命部門とかからクレームバンバンきてんだから」

(;ФωФ)「か、神!私はおーせのとーりに!!」

( ・∀・)「嘘つけ。いっつも遊び半分で神具を使ってるくせに」

(;'A`)「か、神って……何だそりゃ。クーはどうなったんだよ。おい」

ドクオは動揺しつつも、クーの心配をする。
おおう、こりゃあ男らしいね。どうも。

( ・∀・)「まったく、今回の騒動の種がこんな豚だったとはね」

(;'A`)「騒動?」

やれやれ、どうやら説明タームのようだ。
面倒だが、やらねばなるまい。


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:36:30.32 ID:RIOBuyut0
  
( ・∀・)「ドクオ、君はクーと出会う運命ではなかったのだよ」

私は静かに語り始める。

( ・∀・)「君は元々、人間だった。だが、君はある女の子を庇って死んでしまったんだよ。
     今の君は来世の姿。まあ、豚に転生したって訳だね。ここまではいい」

('A`)「俺が……人間?」

( ・∀・)「信じられないか? だが、君は人間の言葉が理解できた。それ以外にも、人間の時の記憶が僅かだがあっただろう。
     普通、豚はドッキリカメラとかスイーツ小説なんてしらない」

(;'A`)「そ、そういえば、確かに謎だった。俺だけ人間の言葉が分かるのは」

( ・∀・)「理解がはやくて助かるよ。まぁ、転生しても僅かに人間の能力や記憶が残って言うっていうケースは少なくない。
     転生部門はてきとーだからね。たまにそう言う事が起こるんだ」

( ・∀・)「でも、君が命と引き換えに救った女の子、クーと出会ってしまったのは誤算だった。
     本来、君とクーは二度と会うことがないようになっていた。人間の記憶が残っている状態で、深いかかわりを持っていた人間と会うと
     イレギュラーが発生するからね。これは私達のミスだ。申し訳ない」


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:41:32.94 ID:RIOBuyut0
  
ドクオは、ただ黙って私の話を聞いていた。
私は息を吸い、続ける。

( ・∀・)「君が人間として死んで、彼女が人間として生きる。それが君達の運命だった。だが、君と彼女が再び出会ってしまったことで、運命の辻褄が合わなくなった。
     運命っていうのは緻密だからね。すぐ誤作動を起こす。だから、辻褄を合わせるために、彼女の運命に死が現れたのだよ」

(;'A`)「……じゃあ、俺が死ねば、やっぱりクーは生きるんだろ? それでいいじゃないか」

( ・∀・)「いや」

( ・∀・)「君の命をささげても、運命は変えられない。一度、それで失敗したせいで、運命が大きく変わりすぎたんだ。
     修正するには、命よりさらに重いもの。魂をささげるしかない」

('A`)「魂……」

ドクオは、小さく呟いた。
可愛そうだ。そろそろ、彼にこの場を譲ってあげよう。

私の偉そうな地の文は、この雰囲気には似合わない。


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:44:28.30 ID:RIOBuyut0
   
('A`)「魂をささげるって」

( ・∀・)「つまり、もう二度と転生は出来ない。本当に、この世界から消滅するということだ」

神は平然と、そう言った。
転生だか何だか、俺みたいな豚には到底理解できない仕組みだ。

だが、その魂という重みは、本能で感じ取る事が出来た。

この世界から俺が消滅する。
もう二度と、ここには戻ってこられない。

消える。
完全に。

( ・∀・)「もう、いいじゃないか。君は豚なりに頑張った。
     運命は多少変わったが、彼女は死んで、君は豚として生きる。それでどうだ?」

でも。
クーは死ぬ。

( ・∀・)「なあに、彼女にも来世はある」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:49:05.71 ID:RIOBuyut0
 
('A`)「……違うんだよ」

( ・∀・)「何が?」

('A`)「そういう問題じゃない。来世があるとか、ないとかじゃない。
    俺はまだ恩を返していない。こんな醜い俺に、優しくしてくれた恩を」

そうだよ。
悩む事はない。答えは、シンプルだ。

('A`)「そもそも、俺は前世でも無責任すぎた。俺は、たぶんクーを救って俺かっけぇwwwとか思ってた。
    でも違う。クーは、自分が俺を殺したと思って苦しんでた。全部、全部俺の身から出たサビなんだよ」

( ・∀・)「難しいねぇ」

('A`)「だから、俺の魂なんてくれてやる。どうせ来世も、冴えない人生だ。
    だったら、好きな人を生かすために使いたい」

( ・∀・)「勝手な男だ。彼女の気持ちも考えないで」

('A`)「だからモテないんだよ!」

魂の叫びだった。
神は、一言「わかった」と言って、本を取り出した。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:51:27.62 ID:RIOBuyut0
 
ミ,,゚Д゚彡「お前、男だよ……俺、お前尊敬するよ」

('A`)「ありがとよ。サインはいるか?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、いらん」

('A`)「そうかそうか」

フサギコは、俺に向かって親指を立てた。
何だよ、その戦争映画みたいなノリは。本当に、シリアスのできないやつだ。

( ・∀・)「これは偶然か必然か。好きな女性を庇って死んだ男が、二人もここにいるなんてね」

('A`)「え?」

ミ,,゚Д゚彡「へへ。だから言っただろ? 同じ穴のムジナだって。
      なんとなーく、感じてたんだよ。同じ匂い」

( ФωФ)「神、わしの処分は!? ねえ、神様裁判にはかけないでくれます!?」


134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:54:53.05 ID:RIOBuyut0
( ・∀・)「ま、これでようやく僕の面倒な勤めも終わる」

( ФωФ)「神!ご慈悲を!」

( ・∀・)「うるさい」

神は、本を捲って何やら書き始めた。
瞬間、俺の体が白い光に包まれていく。

('A`)「うお、なんぞこれ」

( ・∀・)「君の魂は、運命と共にこの世界から消滅する」

('A`)「そうかそうか」

( ・∀・)「最後までネタを忘れない男だ」

そう言って、神は微笑んだ。ほっとけ。こういう性格なんだよ。

ミ,,゚Д゚彡「泣かないぞ」

('A`)「そうか」

ミ,,゚Д゚彡「寂しくなる」

('A`)「一匹狼だろ。頑張れ」

ミ,,゚Д゚彡「お前を忘れない」

('A`)「その台詞、俺が言いたかったのに」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:57:00.61 ID:RIOBuyut0
 
( ・∀・)「今、運命は変わる。イリューーージョーーン!!!」

そんなやり取りをしていたら、いつの間にか俺の体が空に浮かんで。

うわー、空ってこんなに青かったのかーって、柄にもなく感動して。
クーの幸せを願いつつ、病院の方を見下ろして。
夕焼けが綺麗だなー、なんてのん気に思って。


そして、俺は消えた。


140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 21:59:39.31 ID:RIOBuyut0
 
エピローグ


「クー、こっちにも種を頼む」

川 ゚ -゚)「あいあいさーだ、父上」

心臓病で倒れてから一ヶ月。なんとそこには、元気に走り回るクーの姿が!
などと、心の中で一人世界丸見え風のナレーションをしてしまう。

それくらい、私は元気になっていた。
元心臓病患者です、などと言っても誰も信じないだろう。

医者も、奇跡だと言っていた。
神が私に微笑んだのだと。

まあ、そう言う事もある。素直に幸運を受け入れよう。

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:03:17.20 ID:RIOBuyut0
 
「やはり、夏はとうもろこしだな」

川 ゚ -゚)「この一粒一粒に人生が詰まってるんですね、わかります」

「何で私が言おうとした事がわかったんだ?」

川 ゚ -゚)「毎年聞いてるからだ。いい加減、同じネタを言うのはやめたほうがいいぞ、父上」

ハンパねー夏の日差しを受けながら、私は農作業に精を出す。
そういえば、何か大切な事を忘れているような気がする。

川 ゚ -゚)「なあ、父上。私は何か大切な事を忘れているような気がするんだが」

「うん? 豚なら出荷したし、気のせいじゃないか?」

川 ゚ -゚)「そうか、気のせいか」

細かい事は、気にしないでおこう。
今はただ、どんどん働いて生きる喜びをかみしめればいい。なんて、哲学する私。

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:05:05.44 ID:RIOBuyut0
 
「すいません」

不意に、誰かが畑を訪ねてきた。
顔をあげると、そこには貧相な男が立っていた。

「おお、君がドックンか! やあやあ、よく来てくれた。クー、こちらアルバイトのドックンだ。
 よろしく頼むよ」

川 ゚ -゚)「はあ。えーっと……」

('A`)「ドックンです」

川 ゚ -゚)「変な名前ですね」

('A`)「え? は、はあ。自分でも変だと思ってます。はは……」


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:07:50.42 ID:RIOBuyut0
  
川 ゚ -゚)「あれ? どこかでお会いした事が……?」

('A`)「おおっと、これはいきなりフラグ?」

川 ゚ -゚)「調子に乗るな。トラクターで引きづり回されたいのか?」

('A`)「本当にすいませんでした。身の程をわきまえます」

「ははは。仲が悪くて結構結構!」

どこか不思議な感覚だった。
この人とは、初めて会った気がしない。でも、記憶には存在していない。

まあ、いいか。巷で流行のデジャヴってやつだろう。

川 ゚ -゚)「クーだ。よろしく頼む」

('A`)「よ、よろしく」

私はドクオと握手をした。
やけに日差しの強い、夏のある日だった。


152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:10:31.07 ID:RIOBuyut0

こんにちは。神です。
今、私はお尋ね者として、色んな世界を逃げ回っています。

( ФωФ)「い、いいんですか? 神。あんなヤバイ事しちゃって」

( ・∀・)「うん? ああ、運命を大幅にリセットさせたこと? ぶっちゃけやばいよ。
     色んな部門がカンカンですよ」

( ФωФ)「何故、あんなことをしたんですか?」

( ・∀・)「そうだな…」

( ・∀・)「空があまりにも綺麗だったから、かな?」

( ФωФ)「はぁ?」

全部、あの豚のせいです。
これまでエリートコースを歩んでいたのに、ついつい私とした事がやっちまいました。


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:12:54.35 ID:RIOBuyut0

でも、後悔はしていません。
私は醜いアヒルの子という本が大好きです。
あの本の最後。アヒルは美しい白鳥だと言う事が分かります。

でも、醜い豚は醜いままのほうが、いい事もあります。
もし奴がイケメンだったら容赦なく抹殺していました。

そう。彼を助けた本当の理由は。


私も彼女居ない暦=年齢(1746年)だからです。



fin

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:14:54.35 ID:2lKngDPv0
1乙!



童貞神www

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/17(日) 22:15:28.84 ID:dPQHQNcdO
理由がwwww
乙!

162 名前:1 ◆zpW0mlvJcY 投稿日:2008/08/17(日) 22:17:10.40 ID:RIOBuyut0
以上で('A`)は豚のようですは終わりです。
読んで頂き、誠にありがとうございました。ではでは


逆噴射J ◆lW31l/VtQc mirrorhenkan