- 【転職】会社クビになったwwww2【活動中】
- 1 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 20:13:24.65 ID:gASop8bT0
- 昨日スレ立てした>>1です。夜になったら暇だからまた立ててしまいまんた
前スレ
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1234875298/
ひまじんに付き合ってくれたらとてもうれしい
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 20:25:49.77 ID:COnNuCqF0
- じゃあその 前スレの人が来るまで保守してやんよ。
べ、別にあんたのためなんかじゃないんだからね!><
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/02/18(水) 20:30:32.69 ID:gASop8bT0
- >>6
実はたった200レスちょっとで落ちてしまったんだ。
でも学生とかで質問してた人もいたから答えたかったのと、
リアルでは話せない話をしたくてまた立ててしまった
こんな適当な立て方のスレの寿命が短いことは重々承知の上でだ
。。。だからお前の優しさにモーレツに感動しておるっ・゚・(つД`)・゚・
人が来るまで学生時代から退職までの文章をつらつら書こうかと思います
- 9 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 20:40:36.28 ID:gASop8bT0
- まず、私と、私の勤めていたところの話をしよう。
とっても退屈だと思うけど、興味があったら読んでくれると嬉しい。
***
私は2002年に大学を学部で卒業して今の会社に入社した。
会社は、いわゆる外資系というやつで、証券会社だった。
仕事は主に企業の買収・合併や資金調達の提案とアドバイスを担当した。
そう、今テレビやら新聞で叩かれまくりの業界だ。
だがそれはつい最近の話で、2007年頃まではこの世の春を謳歌していた。
異常な高給で知られ、社会に及ぼす影響力も大きく、きらびやかな経歴の人々が集う職場。
そんなイメージだったろう。
事実、私が新卒面接に積極的に参加していた2007年などは、千倍を超える倍率で学生が競う就職先だった。
これから合間を縫って投下するのは、
1.私がなぜそんなところに就職したか
2.業務の実際
3.クビになるまでの経緯
4.今後の方針
という区切りで行きたいと思う。でも基本的には質問とかしてくれた人のレスを優先したい。
宜しくお願い致します。
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 20:42:33.29 ID:XKHT4ajh0
- こいつ・・・たかだか200で落ちたスレをまた性懲りも無く立てやがって
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 20:44:05.54 ID:COnNuCqF0
- なんか書き方がいちいちコピペみたいなのが気になるが
よかろう。続けろ。(´・ω・`)
- 14 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 20:50:38.21 ID:gASop8bT0
- >>10
眠さに耐えられんかったのれす
ごめんなさい
>>11
うぃ。今書いとります
- 17 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 20:53:10.70 ID:gASop8bT0
- 1.私がなぜそんなところに就職したか
私が大学3年生だった2001年、世間は就職氷河期だった。(さっき2002年卒と書いたけど間違えてました)
有効求人倍率は0.59。つまり4割の学生は仕事が見つからないまま卒業した。そんな時代だった。
テックバブルだったこともあり、人気だった業界は銀行や商社、保険などに加えて、ITコンサルタントがあったことが大きな特徴だろう。
1年後、バブルが崩壊するなどとは誰も思わなかった。
グーグル、マイクロソフト。世界を覆うネット企業の成長はとどまる事を知らないように見えた。
それは5年後に私が採用を担当したとき、いつか来た道として思い出されたことでもあった。
- 19 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:02:08.88 ID:gASop8bT0
- 友人らはリクルーターに接触したり、OB訪問を行い、説明会に参加するなどして精力的に活動していた。
私はというと、、、バイトの合間に勉強を続け、大学院進学の費用を貯め、進学先に提出する論文を執筆していた。
人付き合いも苦手で、勉強は好きだったので、就職などは全く考えず、大学という箱庭でまどろんでいた。
大学院は海外への進学を考えていたので、3年生の秋には論文を提出してレフェリーの査読を終える必要があった。
ところが予定が狂った。
指導教官と論文の内容で決裂してしまい、教官に推薦状を書かかないと宣言されてしまった。
私の通っていた大学で実績のある教官は推薦状の執筆に非常に消極的であり、
自分が本当に推薦するに足る学生と判断する材料が足りなければ、推薦状を書くことはまず無い。
そして、その推薦状は、奨学金の申請要件であったことが、私が進学を諦める決定的な要因になった。
- 20 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:06:20.05 ID:gASop8bT0
- 教官に懇願したが、前言は撤回されなかった。教官は、彼が指摘した箇所を私が修正せず進学先に提出したことに激怒していた。
それからは担当教官を変えて進学を再度目指そうとしたが、留年には費用が足りず、休学を決めるには遅すぎた。
私は絶望した。
しかし、ごはんを食べていくには収入が必要だ。働かなくてはならない。もう箱庭で遊ぶ道は閉ざされた。
私は就職活動を開始した。4年生の秋だった。
>>17で書いたように、当時は就職難。今では1000人超を採用する都市銀行の新卒採用枠は100人に満たない。
私は手当たり次第に秋採用を実施している企業を回ったが、結果は惨憺たるものだった。
それもそのはず。志望動機など無いのだ。進学しか考えていなかったのだから。資格だって何も無い。普通自動車免許すら無かった。
早くから活動していた同級生達が日本の名だたる企業に就職を決め、卒業旅行に卒業論文と、残りの学生生活を謳歌している中、
私は一人、まだ暑さの残る丸の内に日参してはプライドが粉々になる毎日を送っていた。
- 22 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:10:42.08 ID:gASop8bT0
- 昔から、頭が良い方ではなかったが、真面目にコツコツやるいいコで通ってきた。
そんな私を大学の教官達は愛してくれたし、周りの友人も優しく接してくれた。
それが就職活動では自己否定の連続に遭遇する。
面接官「君は何がしたいの?」
1 (勉強したいです・・・)
面接官「ちゃんと頑張れる」
1 (やったことないのにできるなんて言えません)
面接官「うちに来る気はあるの?」
1 「はい・・・宜しくお願いします」
大学のPCのメールボックスは、お祈りメールで溢れた。
- 29 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:21:04.44 ID:gASop8bT0
- 今までこんな経験は無かった。入試だって、試験だって、劣等感をここまで感じることは無かった。
(もう、アルバイトでも探さなくちゃ、4月から生活できないな・・・)
そうして時間が過ぎ、秋風が吹き、肌寒くなってきた頃、テレビである外資系企業の特集をやっていた。
それが後の就職先になる会社だった。
今でも覚えている。ガラス張りの部屋の中で英語で談笑する黒人と白人と東洋人。
顧客のために世界中のネットワークとノウハウを駆使して、圧倒的な質のサービスを提供する。
会社の財産は、建物とパソコンと人材だけと言い切る。業務の裁量は年齢で決まるわけでなければ、学歴で決まるわけでもない。
10歳以上年上の部下と働く人もいれば、高校しか卒業していない人もいる。
私は直感した。ここしかない。普通の道に乗り損ねた私には、ここしかない。
- 35 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:30:41.36 ID:gASop8bT0
- 私は手紙を書いた。これまでの経緯を書き、面接を組んでくれるように頼んだ。
幸い、論文執筆のために英文は書きまくっていたので、問題は無かった。
するとすぐに英文で手紙が返ってきた。とても高そうな便箋に英文でタイプされた紙があった。
紙には、面接をしたいから手紙が届いたら夜中でもいいから電話をしろ、と書いてあった。
時間は既に夜9時を回っていたが、私は書かれていた番号に電話した。
電話すると、1コールもしないうちに外人が出た。彼は私の名前を聞くと
「明日、朝7時に弊社の受付から同じ番号を呼び出してくれ。30分時間をあげよう」
とだけ言って切ってしまった。困った、私は携帯を持っていなかった。
- 36 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:34:33.75 ID:gASop8bT0
- 翌朝、私は始発に乗り、面接場所である赤坂に向かった。
携帯を持っていなかったので、1階の公衆電話から電話をかけ、受付まで走った。
受付には背が高い金髪碧眼の人間が待っていた。
駆けつけた私は、化粧も整っていなければ、汗もかいていたろう。髪も乱れていたかもしれない。
私はとっさに身繕いをしようとしたが、彼は視線を動かさず言った。
「遅い。私の給料はとても高いんだから、無駄な時間を使わせるな」
私は彼がずいぶんえらそうだなと思った。外資系企業の人事部というのはそんなに高給なのだろうか。
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:24:43.87 ID:bNNcJgIl0
- >>1 さ日経BPに取材されなかった?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090213/186058/
- 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:29:37.63 ID:N8A0f3uBO
- 結構いいとこみたいだけど大学はどこだったの?
- 38 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:40:49.24 ID:gASop8bT0
- >>32
この記事じゃないけど、取材されたことあるよ
>>34
都内の国立大学です
- 42 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:46:56.20 ID:gASop8bT0
- 後で知ったことだが、外資系証券において、人事部というのは人事権を持たない。お膳立てをするだけなのだ。
では、人事権は誰が持つのか。現場の指揮官達が合議制で決めるのである。
会社の中に入って私は驚いた。
高そうな絨毯に、高そうな机。柔らかく、多くの機構が装備された椅子。
通された部屋には大きな絵がかけられ、軽く30人は入れそうな印象を受けた。
そして面接が始まった。今でも覚えている。
「私が君に聞きたいことは3つしかない。君が誰なのか?君は何ができるのか?君は何になりたいのか?それだけだ」
- 44 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:51:13.25 ID:gASop8bT0
- 私は迷った。そんな覚悟あるわけないのだ。親の顔がよぎる。
農業に従事する両親にとって、私は年の離れた末娘で、初めての女の子だった。
地元で過ごして一緒に暮らそうと、大学の進学を反対されたのに我侭を言って進学した。
海外の大学院に行きたいと言ったら、お金のことは気にしなくていいから自分の一番行きたいところに行けと言ってくれた。
実家の納屋の、農機の匂いがした気がした。
いや、ダメだ。このままで終わりたくない。
実家に帰ったって、いい結婚ができるとは限らない。幸せな人生が待っているかどうかなんて、もっと分からない。
こんな形で終わりたくない。
「Will do as I can!」(やってやるぜ!)
- 50 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 21:56:38.15 ID:gASop8bT0
- 言ってやったぜ、との私の思いに反して、先方はなにやら考え込んでいる。
すると、ちょっと待ってろと言って、彼は部屋を出て行った。
ああ、ダメだったか。。。と落胆し、私はこれからどうしようかと考えていた。
論文博士を目指すなら、日本の大学でしか学位は取れないだろう。しかしそれでは就職は難しい。
ここがダメだった場合、何をやればいいのか、私は何も思いつかなかった。
時間がとても長く感じられた。いつまで待っていればいいのだろう。
時計は8時を回っていた。
もう帰ろうかと思っていた頃、先ほどの彼が一冊の本を手に戻ってきた。
「これを読んで、それでも来たいと思ったら、もう一度電話してくれ。
ただし、今日の午後7時までに決めてくれ。
それまでに連絡が無ければ、君は別の道を選んだと思うことにする」
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:54:01.77 ID:nBWSON7b0
- 面白いじゃねえか、早く続きかけ
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:54:26.84 ID:JXNN+PLK0
- 何気に文才あるな。構わん、続けろ
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:55:05.90 ID:nxnv6js9i
- >>1
美人さんですか?
- 49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:56:28.98 ID:bNNcJgIl0
- しかし、日経の系列に取材されたことがあるってすごいなw。
結構なエリートだったんだねえ。今はただのニートでも数年後は、またわかんないよね。
- 55 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:03:55.52 ID:gASop8bT0
- >>46
ありがとうありがとう
>>47
ああ、そう言ってくれると書くモチベ上がるよ、ありがとう!
>>48
頭の中で好きに想像してくだしあ
>>49
弊社の若手数人でまとめて取材されたので、私がすごいわけじゃないお
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:58:59.71 ID:bNNcJgIl0
- 文才というより、体験者の重み(?)のようなものを感じるね。
これで釣りだったら、涙目なんですけど。
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 21:59:47.65 ID:nBWSON7b0
- ちょっと待て、3つの答えが書かれてないぞ
- 53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 22:01:27.65 ID:/tUnrrT/0
- >>52
もちつけよ
「Will do as I can!」(やってやるぜ!)って答えてる
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 22:03:37.54 ID:YHn8wLTS0
- 昨日のスレ面白かったけど落ちたんだな
- 90 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:10:17.26 ID:gASop8bT0
- ふう、なんか思い出しながら書いてたら、ちょっと当時の記憶がフラッシュバックした。
ちょっと香ばしく小説風味にしました。もっと適当に書いた方が良かったかな。
>>51
大丈夫、釣りじゃない。ところどころ仮の名称を使っている以外は。
>>52
1つは自分が器用じゃないけどやる気はある人間で、これまで書いてきた論文の話をした。
次は、経済全般や数字には強いし、ミスをしないように徹底的な教育を受けた、と言った。
最後は、死ぬときに、自分の人生は素晴らしかったと思って死ねる人間になりたい、と言いました。
本筋と関係ないかと思ってはしょっちゃった。ごめんね
>>53
フォローありがとう
>>54
ありがとう。眠くなって途中で消えたら朝方にはもう落ちていたよ
今日は頑張ります
- 56 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:05:20.00 ID:gASop8bT0
- 私は何が起こったのか分からなかった。反射的に分かりましたと答えて、席を立つ。
彼が右手を差し出す。ああ、握手をするのか。手を差し出す。彼の手はとても暖かい。
瞬間、手の骨が軋むような力で握られた。私は思わず声をあげてしまった。
「また会えると思っているよ」
そう言って彼は部屋を出て行って、そそくさとどこかへ行ってしまった。
なるほど、外人は全力で握手をするらしい。別れ際の彼の瞳が仄かに輝いていた。まるで獣のようだなと思った。
とたんに力が抜けて、私は座り込んでしまった。怖かったのだ。外人とまともにしゃべったことすら、今まで無かったのだから。
涙で視界が滲む。しかし、そんなことをしている時間は無い。本を読まなければならない。
私は左手に持っていた本の題名に目をみやる。見えない。手でぬぐってから、また見る。
表紙には「Monkey Buisiness」と書かれていた。
- 63 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:12:55.43 ID:gASop8bT0
- 私はビルの一階にあったレストランでその本を読み始めた。
その本は、投資銀行、すなわち外資系投資銀行に大望を抱いて入社した若者が、常軌を逸した労働環境に挫折し、退社するまでを綴った物語だ。
日本語版は「投資銀行残酷物語」として知られ、ウォールストリートのカルチャーの異常さが頂点に達していた頃に書かれた作品でもある。
週100時間を常に超える労働時間に、初年度から10万ドルを超える丘陵、
金と欲望に溺れる異常な性格の人間たちの群像劇が様々な実例を交えて克明に描写される。
しかし私はそれを読んでいる間、頭にあることはただ一つだけだった。
「このまま就職できないことの方が、この本で書かれていることよりも余程恐ろしい」
当時は既に90年代の不況時の就職氷河期世代の苦境がメディアでも度々取り上げられており、学生の間の危機感、恐怖感は非常なものがあった。
人生おりこうちゃんで過ごしてきた私のプライドは、仕事に何を求めるべきかといったような問いは面倒くさいものではなく、
眼前のフリーター地獄、今で言えばワーキングプアに対する恐怖ばかりを感じ取っていたのだった。
- 66 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:20:06.72 ID:gASop8bT0
- 私は昼にはそれを読み終えていた。読み終えると、まずはごはんを食べようと思った。
外食は、大事なことに臨む前の贅沢と心に決めていた。
私は大好物のカルボナーラを頼んだ。
その昔、大学の入試を受けるために上京したとき、渋谷の公園通りにあったドトール系列のスパゲッティ屋で始めてパスタを食べた。
そのときは世の中にこんなに美味しいものがあるんだ!?と思ったのを今でも覚えている。
そして入試は受かった。今度も大丈夫。私はゲンをかついだのだ。デザートも食べた。
会計を済まし、小銭を無くして人心地つく。いつも小銭を少なくするように払うのが私の癖だ。
(今日は贅沢しちゃった。。。あーあ、お金も無くなっちゃったよ。)
そして心を落ち着け、私は公衆電話で電話をかけた。
別の人が出た。待たされる。やっと出た!
「さっきは面接をありがとうございます。あの本を読ませ・・・」
ガチャン!と音を立てて、通話が切れた。電話が1分以上かかってしまった。財布を見る。小銭は、もう無い。札も無い。
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」
- 72 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:28:02.99 ID:gASop8bT0
- 思えば、これが人生で始めてナチュラルに英語を発音した瞬間だった。
しかしその時の私はそんなことを考える余裕も無く、赤坂アークヒルズのエスカレーターを駆け上がっていた。
エレベーターを見る。ダメだ、来るには時間がかかる。
ビル受付で要件を伝え、非常階段に飛び込む。駆ける、駆ける。ヒール、折れる。私、こける。
息も絶え絶えで会社受付に飛び込み、要件を伝える。
「@@@@さんを出してください!」
受付の人は戸惑いながらも、彼を電話で呼び出す。英語の呼び出し方はかっこいい。
間もなく、彼が降りてきた。開口一番彼は微笑み、
「君はいっつも忙しそうだね」
私は咄嗟に考える。
(えっと、本を読んで、やる気あるから働かせてくれって言おうと思ったんだけど、お金が切れて、あ、携帯持ってなくって・・・!!!)
もうだめだ。そんなに咄嗟に英語で喋れない!
何を思ったか、私は空になった財布を出して、上下に振ってみせる。マフラーが帯電してちくちくと痛い。
すると彼は優しく財布を持っている私の手を包み、ゆっくりと言った。
「電話がかかってきたときに君の気持ちは分かった。
それからすぐ走ってきたことで君のやる気も分かった。
そして今の表情で、君の人柄も分かった。
明日、オファーレターを用意しておく。午後1時にここに来てくれ」
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 22:32:38.89 ID:YHn8wLTS0
- こんな就職の本にのるような採用パターンあるんだな
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 22:33:33.06 ID:BHG2LaJW0
- 作り話にしては面白い
つづけたまえ
- 101 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:25:16.29 ID:gASop8bT0
- >>73-74
当時はそれほど柔軟な時代だったんです
成熟した産業からは若さが失われ、秀才くんが集まるようになる
それじゃあ革新的なビジネスを生み出し続けるのは難しい、、、というのはまた別の話
- 75 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:33:47.26 ID:gASop8bT0
- オファーレターというのは、外資系企業における雇用契約書で、内定の証である。
ここにはベールに包まれた報酬体系や内規が記されており、法的拘束力の無い文言が並ぶが、
社内では非常に重要な文書として扱われる。
私は何が起こったのか分からなかった。ただ、ひたすらサンキューサンキューと繰り返した。
何だか、涙が出てきた。やった、やった、これでようやく、ちゃんと働ける!
私の脳裏には数日前友人から言われた言葉があった。
数日前、私は友人の卒業試験の勉強を教えていた。彼は、省庁に内定が決まっていた。
勉強がひとしきり終わると、彼は聞いてきた。
- 76 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:38:37.04 ID:gASop8bT0
- 彼「なあ、1は海外の大学院に行くんだろ?どこに行くんだ?不均衡動学をやりたいならMITとかがいいよなあ」
1「・・・」
私は素直に話そうかどうしようか迷った。
みんなが就職活動をしている頃、1はどこを受けるの?と聞かれても、まだ勉強したいと答え続けてきたのだ。
いまさら、実は就職活動をしていて、どこも受からなくて困っているなんてことは言えない。
お金が無いから、さいきん塩粥ばっかり食べているなんてのは、もっと言えない。
でも嘘は良くない。複利で将来さらに思いツケを払わされることになるからだ。親にもそう教えられてきた。
1「私、就活してるんだ。。。でもまだ決まってなくて、、、」
彼「・・・え?まじで言ってるの?今から採用してくれる企業なんて…いや、ごめん。
でも1は成績も良いんだから、就職留年して…」
1「私、奨学金だから、留年すると学費払えなくなっちゃうんだ。休学を申請するにはもう遅いし、親には申し訳なくて言えない」
彼「でも、このまま行くと、どこにも行けなくなるぜ?」
1「・・・」
- 80 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:47:58.87 ID:gASop8bT0
- それから彼に相談に乗ってもらった。原因ははっきりしていた。
学問に心を残す余裕がまだあり、切羽詰っていない分、私はやる気が無さそうに感じられるのだ。
それがはっきりしてからは、彼がなぜ省庁の仕事を選んだかという話を聞いていた。
彼「いや、自分一人生きていくだけだったら、別にフリーターだって生きていけるとは思う。
でもせっかく大学まで来て、人よりたくさん勉強してきて、ただ自分のためだけに生きるっていうのは、どうかと思ってさ。
自分に余裕があるなら、少しでも人の役に立つような、困っている人を救うような仕事がしたい。
それもできるだけ多くの人を助ける仕事がね。
結局、民間って、自分のとこの利益を追求することが一番の目的じゃん?
省庁には、誰かの希望になろうと働く人がたくさんいる。自分もそれに加わって、社会に貢献したいんだ」
- 81 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:50:58.70 ID:gASop8bT0
- 当時の私の大学ではまだ官尊民卑のカルチャーがあり、官庁に進む人間と民間に進む人間の間には明確な評価の差があった。
官庁に進む人間は無条件に凄く、民間はその次。そんな感じだ。
今でこそ、外資系に進むという進路が一般的になった分
「俺は官庁の人間と同じくらい優秀だが、若いうちに活躍したいし収入も欲しい」
という言い方が可能になっているが、当時は違った。
私は悲しくなってしまった。
何なのだ、この差は。
彼とは教養学部の頃から同じクラスで、ずっと試験の度には勉強を教えてきた。彼はずっと、私の教え子だった。
でも今はどうだ。彼は未来ある高級官僚で、私は根無し草になろうとしている。
私が、いったい何をしたっていうのだ。いや、何もしなかったからこうなっているのだが、だからってこの展開は無いだろ。
私だって、夢を語って、人に尊敬されるような仕事をしたい。
じゃあそれは何だ?
私は学者にもなれず、官僚にもなれない。それどころか、サラリーマンにもなれない。フリーターにだって、なれるかどうか分からない。
- 82 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 22:53:08.60 ID:gASop8bT0
- 私は悲しくなってしまった。
何なのだ、この差は。
彼とは教養学部の頃から同じクラスで、ずっと試験の度には勉強を教えてきた。彼はずっと、私の教え子だった。
でも今はどうだ。彼は未来ある高級官僚で、私は根無し草になろうとしている。
私が、いったい何をしたっていうのだ。いや、何もしなかったからこうなっているのだが、だからってこの展開は無いだろ。
私だって、夢を語って、人に尊敬されるような仕事をしたい。
じゃあそれは何だ?
私は学者にもなれず、官僚にもなれない。それどころか、サラリーマンにもなれない。フリーターにだって、なれるかどうか分からない。
絶望に包まれた。
PCに届くお祈りメールを、面接のときの面接官の冷たい視線を思い出す。それら全てが社会からの絶縁状として、私の心に圧し掛かる。
窓から外を眺める。笑って歩く人の群れが見える。ゴミのよう。みんな死んでしまえばいいのに。なんで私だけが。。。
木造の校舎は冷える。嬉々として夢を語る彼の横で、私の心は堕天した。
絶対に、負けたくない。誰にも、負けたくない。
- 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 22:56:00.64 ID:COnNuCqF0
- >私は学者にもなれず、官僚にもなれない。それどころか、サラリーマンにもなれない。
>フリーターにだって、なれるかどうか分からない。
この危機感がその年齢で持ててたという事自体がもう、本当に羨ましい。
ほうほう、それでそれで?(´・ω・`)
- 101 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:25:16.29 ID:gASop8bT0
- >>83
今思えば相当青い発想なんだけどね。
クビフェイズまで書くならそのへんも書いてみたい。
- 86 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:02:12.97 ID:gASop8bT0
- そしてその日、家の小さい小さいテレビで>>29の番組を見た。ここに賭けるしか無い。
私の心に今まで感じたことの無い炎が灯る。小昏く、蒼い、温度も低く、しかし決して消えない炎が。
…
私はふとはっとする。ああ、ここは赤坂アークヒルズ。今面接官の外人から内定の口約束を貰った。
涙が止まらない。涙が止まらない。受付のお姉さんたち、困り、近寄り、ハンカチを差し出してくれた。高そうなシルクのハンカチだった。
受付嬢「あなた、凄いわね!ワインバーグ(仮名)に直接あんな風に言ってもらえるなんて!聞いたこと無いわよ」
何のことだか、分からなかった。私にとってはただ獣のような瞳をした、ただの優しい外人だった。だが偉い人だったらしい。
後に私は、私に手紙を寄越したあの獣の瞳の男が、
未曾有の可能性を秘める日本市場を開拓すべく本国から送り込まれた投資銀行本部長であり、
旧電電公社の民営化や大手損害保険会社の合併などを主導した伝説のバンカーであったことを知った。
1.私がなぜそんなところに就職したか 糸冬
- 94 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:15:40.77 ID:gASop8bT0
- あ、質問なんだけど、こんな感じで時系列に書いていくのと、
淡々と考察を書くのならどっちがいいのかな?
なんか最初の4章割は小説風の構成になじまないし。
もし「このへん重点的に」という要望がもらえるなら、そういう風に書いてみたいんだが・・・
読んでくれる人が読みたいものを書きたいです
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:29:58.59 ID:bNNcJgIl0
- >>94
第一部よかったよ。
だいたい、時系列でワンポイントのタイムスリップ!お見事です。
基本、時系列ってのだけ決めて、あんまり考えないほうがいいような気がする。
臨場感が失われるそうだからw。筆の赴くまま指の赴くままで、いいんじゃね?
それに俺、頭悪いから複雑な展開されるとついていけねww
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:09:46.96 ID:FdaUfVHIO
- 高卒25歳フリーターの俺は、死ぬか諦めて黒い社会に行くしかないのですね。
そんな脅迫めいたスレをたてる>>1は今すぐ消えるべき。
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:13:34.25 ID:VPKLvPCMO
- 世の中にはこんなに優秀なのに悩んでる人もいるのに
なんの能力もない自分がのらりくらりしてる現状を改めて突きつけられたようで死にたくなってきた
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:13:46.67 ID:9LB3LJFdO
- 心が痛い
何も労せず高卒で卒業して工場勤めで安い給料貯金して独り身で自堕落な
人生送ってる自分が嫌になるぜwww
- 106 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:29:47.20 ID:gASop8bT0
- >>89
そんなこと無い。
そのへんの話を就業中の体験踏まえて書いてみたい。
上場企業の半分はベンチャー企業で、大学出てない人もたくさんいるんだぜ
でも黒い社会には行かないで欲しい。一緒にがんばろうぜ
>>92
優秀ではないよ
しつこいけれど、そのへんも就業中の実感を交えて書いてみたい
でも、今年就活する人の中には似たような境遇の人も出てくるかもしれないと心配している
>>93
そんなこと言うなよ
おいらだって独り身で自堕落な生活してる
お互いいい人生送れるといいね
- 119 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:42:22.13 ID:gASop8bT0
- 再開します。。。
***
内定を貰った私は、すぐに親に報告をした。親の反応は今ひとつだった。
「なんば言いよる?田舎くさか名前の会社やねー」
親の反応も無理は無い。当時は外資系の証券会社は全くの無名。仕事の規模も野村證券や大和證券と比べると非常に小さかった。
それを象徴的に示しているのが、当時の各社の呼称である。
ゴールドマン・サックスは「ゴールド万作」とよく間違われ、
ソロモン・ブラザーズ(現在のシティ・グループ)は「なにもんブラザーズ」や「わるもんブラザーズ」などと呼ばれた。
友人らにも進路は言わなかった。
当時、邦銀は落ち目にあったとはいえ、東京三菱銀行や日本興業銀行の内定者の数はその人気に比して少なく、
民間就職先としての「格」で言えば、私は圧倒的な「負け組」だった。
(ま、仕方なか。東京におる私だって、知らん会社っちゃもん)
何となく素直に喜べない私の暗い気持ちは、翌日オファーレターを受け取りに行ったときに180度転換する。
- 120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:44:07.68 ID:COnNuCqF0
- 田舎ば九州ね?よかとこもんねー。(´・ω・`)
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:45:47.00 ID:VPKLvPCMO
- 九州の人だったのか
- 124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/18(水) 23:46:01.13 ID:2I4WvD3J0
- 昨日のスレから見ているけどすごすぎて嫉妬する気も起きない
- 126 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/18(水) 23:50:52.92 ID:gASop8bT0
- オフィスに行くと、昨日とは違う部屋に通された。昨日の部屋を上回る、馬鹿げて瀟洒な部屋だった。
すぐに人が来て、自分はヒューマン・リソースの人間で、これから入社までのあなたをサポートする、と告げた。
彼女は日本の会社で言えば、人事部のお姉さんだ。
ここで本来であれば、そのサポートの内容が何か、とかの話をしたりしてコミュニケーションを取るべきだが、
ベネロペ・クルスそっくりのお姉さんに拙い英語で会話を挑むほどの度胸はまだ私には無かった。
すると、彼女が電話をかけた。
べネ「Hi, Tom.1 san arrived」 (ハーイ、トム。1さん来たわよ)
トム「Will be right there」 (すぐに行く)
また外人が来た。名前の通り、トム・ハンクスに似てた。小脇に書類を抱えている。あれがなんとかレターなのだろうか。
すると、ぞろぞろ人が集まってきた。みな高そうなスーツにピカピカな靴を履いている。日本人もいる。
思わず私も立ち上がる。スーツはちょっとよれている。だって昨日のと同じスーツを着てたし。
何が起こるのかと思って見ていると、トムがおもむろに話始めた。
- 131 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:01:34.01 ID:ZJHTbWj30
- トム「我々の産業にようこそ。
ここは投資銀行。
世界中の優秀な頭脳が集まって凌ぎを削り、経済の発展に寄与する職場だ。
君についてはワインバーグ(仮名)が『面白い』と言ったので、採用する。
君に言いたいことは1つだけだ。
常に勤勉で、誠実で、公正であれ。
もし君がそれらを犯すようなら、君は時間に殺され、金への欲望に溺れ、社内政治に道を塞がれるだろう。
最後に、おめでとう。ともに働けることを嬉しく思う。」
Congratulationの声が響くやいなや、みなが一斉に拍手を始める。
こんなに拍手を独り占めにした経験は今まで無い。エヴァTV版の最終話を除いて。
トムが握手を求める。固い握手を交わす。痛ぇ。
それから順に偉そうな面々と独りずつ握手をしていく。10人ほどいたので、数分かかったが、拍手はずっと続いた。
私は感動していた。
その後、私は採用担当になったときにこの芝居の裏を覗くことになる。
これは一つの儀式で、トムは本国に帰るまで毎年同じことを繰り返していた。最近はやっていないそうだ。
そしてこうして驚かせることで、内定を断りにくくする意図がある。当時は邦銀の方が圧倒的に魅力的な就職先であったことは既に述べた。
また最後の事情は、金曜の午後は偉い面々も残る仕事は接待くらいで暇つぶしのために着飾って出てくるというものだ。
ただそれだけのことだが。これは十分に効果があったし、その後もそれを実感した。
外国の人々が好むこの手のパフォーマンスは、我々日本人には不慣れな分印象深いし、そうした余計なことをやれる気遣いこそが余裕の証であった。
- 134 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:09:05.15 ID:ZJHTbWj30
- 感無量で目頭が熱くなる私にトムが書類を手渡し、偉そうな人々は順に部屋を去る。
トム「これはオファーレター。説明はそこのべネがする。それではまた入社日に会おう」
1 「あ、はい!」
思わず日本語で答える私。でも外人に説明されて私わかると?
と逡巡している私にべネが話しかける。
ベネ「あ、大丈夫。日本語で説明するから。えーっと」
私は目を丸くした。目の前にいるスペイン系美女から聞こえてくる日本語は、紛れも無くネイティブのそれだ。
驚いていると、ベネがきょとんとした目でこちらを見て、微笑む。
ベネ「驚いた?私はもう日本で5年働いているから、日本語で大丈夫よ。
トムも日本語は達者だから、入社したら色々と質問するといいわ」
仰天してしまった。5年ここで働いただけで、こんな日本語が身に付くというのか。しかもこの人は、ただの人事のお姉さんだ。
私は嫌な予感がした。
1 「あの、、、じゃあワインバーグ(仮名)さんも…」
ベネ「彼もペラペラよ。演歌が好きだからカラオケに行ったら歌ってあげてね」
私が必死に英語で喋っていたのは、必要だったのが、ある意味無駄な努力だったわけだ。
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:14:02.97 ID:1yGP2qxl0
- まじ別世界
これが外資か・・・
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:17:44.37 ID:Kt8JV+NTO
- やっぱり外資系って何カ国語か話せるのが当然なのか
- 142 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:20:30.08 ID:ZJHTbWj30
- >>138
現地民は英語だけ話せればいいけど、海外に行くなら現地の言語を話せることが大事。
喋れない人もいる。
ちなみに、現地民でも英語すら話せない人もいる。それは追々話したい。
- 140 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:18:11.45 ID:ZJHTbWj30
- ベネは雑談もそこそこに、何だか力が抜けた私に雇用契約の細則を説明する。
私はそこで示されていた契約内容にまた仰天した。概ね、以下のような内容であった。
〜あなたを3年間のアナリスト・プログラムに招待します〜
基本給; 650万4千円
また、これとは別途に、夏に行われるニューヨークでの2ヶ月間新人研修に参加してもらいます。
ボーナスは毎年1月に支払われ、あなたの働き次第で額が決まります。
当時、それこそ邦銀の初任給は400万円に満たなかった中で、これは破格の待遇と言えた。
そして、ニューヨークでの研修。私は海外に行ったことが無かった。
そもそも、海外の大学院に行こうと思ったのも、キャリアはもちろんだが、海外に行きたかったからだ。
自分があくせくアルバイトに励む中、海外旅行に出かけていく同級生が羨ましかったのだ。
さらにベネが言うには、1年生のボーナスの相場は、年棒と同額程度だという。
つまり、ボーナスを合わせれば初任給にして1300万程度が支払われるという内容だった。それも海外での研修つきだ。
私は、自分の幸運に感謝し、生まれて初めて神の存在を感じた。
- 147 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:25:10.12 ID:ZJHTbWj30
- さらにベネは続けた。
ベネ「ワインバーグ(仮名)が、あなたはもう少し英語をimproveした方が良いって言っていたから、英会話の学校に通ってもらうわ」
ベネ「それと、、、あなたの専攻を見ると、数学や経済は大丈夫みたいだけど、会計が抜けているわね。会計の塾にも行って」
ベネ「あと、これは任意だけど、社内で弁護士や会計士を招いてケース・スタディをやってるから、興味があるなら来ればいいわ。
先生も凄いけど、生徒もバンカーだから質問も鋭いし、とても勉強になるわよ。同期の顔も覚えるしね。」
ベネ「最後に、家ね!あなたの働く部署はとても忙しいから、徒歩10分以内のところで家を探しなさい。
だいたい1年生は月15万くらいのところに住んでいるみたいよ。」
何から何まで衝撃だった。入社前に私にかけるお金だけで、大学の1年分の学費以上がかかっていそうな雰囲気である。
- 148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:29:09.41 ID:NeYgw7a90
- しがないコンビニの雇われ店長の俺からすると、世界が違うなww
- 149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:29:29.38 ID://rK1Pvp0
- 凄いな‥
採用するとそこまで金かけて育てるんだな
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:30:47.19 ID:IvijO/VF0
- それだけ年収があったんなら数年は遊んで暮らせるだろ
- 151 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:30:47.51 ID:ZJHTbWj30
- それから入社までの2ヶ月、私は英会話学校と会計の塾、不動産業者と会社の4点生活を続けた。
3月には住む家も決まったが、ある日ベネに呼び出されて彼女が言うには
ベネ「言い忘れてたけど、入社までに証券外務員の2種と1種、それに米国証券外務員資格であるSeries7を取得してもらうわ。
これを持っていないと、仕事が出来ないから必ず取ってね」
1 「(そういうことは早く言うもんやが)
あの、落ちた場合はいつ取るんですか?」
ベネ「いつなのかしらねー、知らないわ」
1 「え?なんでですか?」
ベネ「落ちた人は、クビだから」
1 「・・・」
その日から私は寝る間を惜しんで勉強することになった。何としてもクビになるわけにはいかない。後が無いのだ。
そして私は無事資格を取得し、4月1日を迎えた。
- 153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:31:27.38 ID:Kt8JV+NTO
- 仕事の合間に更にそんなに沢山の勉強もあるのか
高給取りでも納得
- 154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:31:39.01 ID:Pa4KRw4H0
- こんだけやってりゃ不況になりゃ破綻するわな
でもすげー
- 156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:35:53.85 ID://rK1Pvp0
- ただでさえ忙しい仕事でダブルスクールみたいなことするって過労死しそうだな
- 155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:33:35.21 ID:lV5XXjmAO
- 外務員一種って入社前に取れるっけ
- 158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:37:21.91 ID:NeYgw7a90
- 二種取った内定者なら取れるんじゃなかったっけ?
- 157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:36:40.19 ID:YMs79yNm0
- 今29歳ぐらいか?
俺とほぼ変わらない年齢なのに優秀なんだな
それに比べて俺ときたら・・・
- 160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:44:07.17 ID:ucf+umK8O
- 外資って会社の近くに住まわせるって聞いたな。
よく覚えてないが、事故等巻き込まれないためだっけ。タイムイズマネーって事なんかな、やっぱ。
- 165 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:53:46.67 ID:ZJHTbWj30
- >>155,>>158
二種取れば内定者でも取れます。二種は入社3ヶ月前から取れます。
>>157
それくらいです。
今はただのニートです。
>>160
こき使うためです
- 161 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:45:03.85 ID:ZJHTbWj30
- 入社初日、初めて私は同期と顔を合わせた。彼らについては追々語っていきたいと思う。
彼らは内定を貰ってから何度も交流していたようで、大分仲が良いように見えた。
それが私の勘違いだと気づくのは大分後のことになるのだが、そのときはただ、自分のぼっちっぷりを嘆くばかりだった。
研修中は、外部講師を読んでのお辞儀などのマナー講座から、敬語の演習、自己啓発セミナー的なものに加え、
現役社員による、証券会社のビジネス、デリバティブなどの金融派生商品に関するレクチャー、
IT所属のインド人によるコンピュータ言語の授業から、社内アプリケーションやデータベースの使い方と、
知らないことばかりを学んだ。
後に日系の他の会社に行った同期の話を聞くと、我々が受けた研修は大分特殊かつヘビーであり、
そのあたりに必死に日本のビジネスに食い込もうと努力していた会社首脳陣の気遣いが伺われる。
考えてみて欲しい、日本人にマナー研修や敬語の演習をするのだ。しかも生徒は、国内外の名だたる大学を卒業している。
そこをあえて基本から仕込む。そのような方針は育成の全てに通低しており、日本企業以上に日本的な「何か」を身に着けるように教育される。
一つ例を挙げよう。
あるとき、証券会社対抗の運動会が開催された際に、肉離れを起こして1ヶ月療養したバンカーがいた。
通常、外資系なら1ヶ月も休めば理由の如何を問わずクビになりそうなものだが、実際は、彼の復帰は賞賛を持って迎えられたのだ。
それもそのはず。
日系他社に比べて遥かに脆弱な基盤で勝負しなくてはならない我々は、彼ら以上に浪花節の接待やら営業をしなくてはならない。
そのこともあってか、初期の外資系証券の社員の多くは、鬼の営業で知られる野村證券と旧山一証券の人々だった。
野村證券の猛烈ぶりについては、下記サイト始め色々なところで紹介されているので、興味のある人は調べてみて欲しい。
http://ameblo.jp/hkteleos/
- 162 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:51:41.85 ID:ZJHTbWj30
- 話を戻そう。
研修の最中も、非常にシビアな生活になる。
大量の宿題に加え、私が所属していた部署は、研修が終わった後も戻って、だいたい深夜3時頃まで働いていた。
当時は非常に体育会系なカルチャーにオフィスが支配されており、少しでも年次が上の先輩が残っていると、先には帰れなかった。
当然、先輩たちはいくつもの案件を抱えて激務なわけで、帰りも遅い。したがって我々の帰りはもっと遅かった。
あるとき、先輩と話していたときのこと。
先輩「おう、頑張ってるか?」
1 「はい!」
先輩「そうだな、若いうちは寝なくても大丈夫。
僕らのときは3時間ルールっていうのがあってね」
1 「何ですか、それ?」
先輩「いや、一日24時間のうち、3時間だけオフィスを出ていい、とかいう決まり」
1 「・・・」
さすがに今はもっとリーズナブルな労働環境になっているが、今でも労働時間の長さで自慢をするような風潮は残っている。
肝心なのは、収益の貢献度のはずなのに、労働時間という手段が目的になっていたあたりに、投資銀行の産業としての疲弊度を窺うことができよう。
- 163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:51:51.43 ID:ucf+umK8O
- 野村マソの話は有名だなw
まぁその分力は付くようだが
- 164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 00:52:00.67 ID:1yGP2qxl0
- リンク先をざっと読んだがこれは・・・
- 166 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 00:58:14.21 ID:ZJHTbWj30
- 研修では、上記のことに加え、社訓のようなものを仕込まれる。
その中で最もよく知られているものを紹介したい。
「我々にはヒーローは要らない」
分かりやすく言えば、「一人はみんなのために。みんなは一人のために」というわけである。
確かに古き良き時代の重役達は、質素堅実を旨とし、ウォール・ストリート・ジャーナルでは「ドブネズミ色のスーツの男達」という代名詞で呼ばれていた。
しかし、ここはその支店であり、そのカルチャーは失われていた。
私はその片鱗を、ニューヨークに研修に向かうまでの3ヶ月間で思い知ることになる。
- 175 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:08:07.94 ID:ZJHTbWj30
- 同期に、柔道部出身のタフガイがいた。アゴが特徴だったので、ここでは彼をアゴと呼ぼう。
彼はとても優秀だった。しかし同時に、同期の中で最も自己顕示欲に満ちた男でもあった。
入社して研修も終わった5月、私は彼と一緒にある案件のチームに配属(assign)された。
その仕事では海外のオフィスが作成した資料を使って、日本の顧客に対し提案を行った。
そのため、海外オフィスが作成した無数の資料から役に立ちそうなものを選び出し、数字などをいじり、使えるものに修正する必要があった。
仕事としては非常に単純である。だからこそ、一年生二人をつけて、勉強させようと思ったのだろうか。
1 「アゴくん、これ、どうしようか」
アゴ「んー、俺忙しいから、とりあえず始めておいてくれる?」
1 「うん!分かった!」
そんなやり取りから作業を開始して数日。一向にアゴは手伝おうとはしてくれないので、作業は完了してしまった。
1 「アゴくん、これ、終わったよ」
アゴ「マジで?悪いねー、じゃあ俺チェックするから、ファイル送っておいて」
1 「オッケー!」
ファイルはすぐに送ったが、アゴは何も言ってこないまままた数日が過ぎたところで、私は上司に呼び出された。
上司「・・・おまえ、やる気あるの?」
1 「どういうことですか?」
上司「おまえ、あの案件、アゴに全部やらせたんだって?一人は全部やったら、二人つけた意味無いだろ。
おまえはあの案件から外す。もう少し雑用やって仕事への姿勢勉強しろ」
ファイルは、私がアゴに送ってすぐ、彼が上司に提出していた。
- 177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:12:33.44 ID:ucf+umK8O
- アゴをアンタッチャブル山崎で想像すると・・・
いや止めとこw
- 178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:14:11.35 ID:rgRxIVDUO
- アゴ「いやーwww悪いねwwwすまんすまんwww」
- 179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:14:34.09 ID:lErp9SooO
- アゴよくいるタイプだな
中途半端に出世したポストで嫌な奴のままイエスマンとして会社に居残るし
- 176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:09:29.71 ID:mVUs/vWW0
- これって特定されるんじゃ
- 195 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:30:35.82 ID:ZJHTbWj30
- >>176
大丈夫。ダミー情報もたっぷり入ってるから
- 183 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:21:02.02 ID:ZJHTbWj30
- 私は、何が起こったのか分からなかった。釈明は聞き入れられなかった。
私は、アゴを恨んだ。同時に、私の釈明に耳を貸さなかった上司の意図が分からなかった。
アゴを問い詰めると、アゴは、上司には私が殆どやったと報告したと言う。何が起こったのか。
残ったのは、私は初めての案件から訳も分からず外された、という事実だけだった。
全容が明らかになるのは、少し先のことになる。
このエピソードは投資銀行の雰囲気を理解するのに有効なエピソードなので、時間軸は前後するがことの顛末を紹介したいと思う。
- 190 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:27:24.02 ID:ZJHTbWj30
- この案件は、紆余曲折を経て、4年後、大型の案件になった。
アゴは引き続き同案件を担当しており、例の上司と二人でこれに当たっていた。
その間、何人もの人間がこの案件に加わっては抜け、アゴは人の成果を奪う人間だという評価が定着していたと思う。
しかし、誰も口には出さない。投資銀行では人の悪口を言っていると思われると政治的な致命傷を負う。特に若手の間は。
ただし、上司も上司で部下に丸投げしていたので、終盤はアゴが孤軍奮闘していた。
案件が大詰めになった頃、あるメールが世界中に配信された。
「本案件は、みなさまのおかげで成功裏にクローズし・・・
担当者;上司」
アゴの名前は無かった。
先にこのようなメールが回ってしまった上に、社内ではみながアゴに対しては心中穏やかならないものがある。
アゴは自身の関与を必死にアピールしたが、みな関わりたくないようだった。
アゴは勤務時間の殆どを費やしていた案件の成果を完全に奪われていたために、
その年末の人事査定を生き残れず、失意のうちに会社を去った。
- 191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:27:57.40 ID:ucf+umK8O
- 横取り40萬が当たり前な世界って事か
- 192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:29:01.73 ID:rgRxIVDUO
- 要領良いやつが生き残ると…
- 193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:29:49.57 ID:1yGP2qxl0
- あござまあwwwと言いたいがしかしこれは恐ろしいな
- 194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:30:19.10 ID:1EDEmr590
- ホントに漫画みたいな世界だな
- 197 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:32:30.81 ID:ZJHTbWj30
- 彼が去った後、みなで話をすると、みな同じような経験をしていたことが分かった。
これはどういうことだったのか?
話を横で聞いていた秘書さんが言った。
「それが上司くんのやり方。
いっつも手柄を横取りするんだけど、案件たくさんやってるように外からは見えるから、本国からの評価も高くてね。
クビにできないうちに偉くなっちゃったから、しょうがないわね。
アゴくんは優秀だったから、自分の手の中で飼い殺すつもりだったんでしょ。」
私は、4年前のあの日の、アゴのきょとんとした顔を思い出した。
あいつ、本当はちゃんと上司に報告してたんじゃないだろうか。
- 198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:34:15.93 ID:1yGP2qxl0
- KOEEEEEEEE
なんじゃこりゃああああああ
- 200 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:37:40.64 ID:ZJHTbWj30
- 出る杭は打たれる。当然だ。自分と同じ系統にいる優秀な後輩とは、ライバルに他ならない。
後進は親身に育てる、そんな甘い期待は抱いてはいけないのだ。
それでは会社が成長しないではないか、と思われた人がいるだろう。ご明察。
その通り、成長しないのである。
なぜなら、給料がべらぼうに高いために、稼いだ人間は辞めてしまう。ボーナスは最大で、年間数億にもなる。当然勤続年数は短い。
すると、みな自分の在籍期間において収益が最大化できるようなビジネスを展開する。自分がいなくなった後は野となれ山となれ。
したがって、人が辞めた後のその人の担当部分は常に焼け野原である。
思い出して欲しい。
アジア通貨危機、テックバブル、サブプライム・・・
全てその時々で異常な利益を追求しようとリスクを看過した体質に問題の根幹がある。
5年〜10年のサイクルで、同じ過ちを繰り返しているのである。新たな危機が起こるとき、以前の危機を知る人は極わずか。
「投資銀行に智恵は残らない」と言われる所以である。
- 205 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:43:26.35 ID:ZJHTbWj30
- 話を入社直後に戻そう。
私はアゴの仕打ちにショックを受けたが、その程度で評価を下げられるようではいけないと思い、
証券アナリストと米国公認会計士を取得することにした。
どちらも、日本で投資銀行業務に従事する上ではそれほど重要では無いのだが、何か資格という、自分の価値を担保させるものが欲しかった。
5月から通信添削の講座を受け、毎日2時には仕事を中断し、会社の会議室で1時間勉強するようにした。
添削の課題は休日出勤の合間にこなし、残った時間は先輩に質問をしながら金融関係のモデルの演習に費やした。
日本の会社に行った友達が、ゴールデン・ウィークで友達が旅行に行っているときも、
初夏が訪れてみなが海に行っている間も、私はオフィスにいた。
ただひたすら、生き残るのに必死だった。その底には、
「私はアウトローだからそれくらいしないと人並みになれない」
という強烈なコンプレックスがあった。
- 201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:38:21.29 ID://rK1Pvp0
- 昨日のログからおまえらが質問してるやつはっといてやる
年収
2006年度は3000万くらい。2007年度は2500万くらい。2008年度はたぶん1200万くらい
資格
証券外務員1種と証券アナリストと米国公認会計士(uncertificate)
- 202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:40:36.30 ID:r1OkU4vB0
- >>1
久しぶりに尊敬できる人物に出会えた。
あなたのような人がいるなら、まだ日本は大丈夫。
それに比べて俺は……情けなくなる。もっとがんばろう。
- 203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:41:48.86 ID:vYvaPJOuO
- 上司の手口が酷すぎて感動さえ覚えた…縛って手足にするどころか切り捨てるって…
>>1は年に家族とどれくらい会ってる?
- 204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:42:06.29 ID:rgRxIVDUO
- >>201
兄弟三人大学行って親父の給料370万の我が家…(´・ω・`)
世の中すごいね差が
- 206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:46:19.64 ID:Zm+iDO3wO
- >>204
俺の友達の親父が年収3億で俺の親父が年収170万
家から何まで凄い差なんだぜwwww
- 208 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:47:49.11 ID:ZJHTbWj30
- >>201
ありがとう、助かる。私もログ取っておけばよかった
>>202
私は全然立派じゃないよ
これからそのへんも触れていきたい
>>203
3年前のお正月以来会ってない
>>204
うちのとーちゃんの年収はそれより低い
だから奨学金をたくさん取れた
もう少し遅く生まれていれば、学費もタダだったのに
母校は年収400万以下の世帯の学費を全額免除にしたらしい
- 218 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 01:56:06.10 ID:ZJHTbWj30
- そしてニューヨーク研修に行く日が訪れた。
初めての海外である。
パスポートを取ることからチケットの手配まで、全部秘書さんにやってもらい
「あんたホントに世間知らずねー」
と言われたのは正直悲しかった。
ニューヨークまでのフライトはビジネスクラスだったので、私は飛行機とはなんて凄いものなんだと驚いた覚えがある。
ちなみに、飛行機に乗るのもこれが初めてだった。
ところが味わう間も無く、疲れから就寝。起きると、搭乗機はJFK空港へと到着していた。
どうやってターミナルに出ればいいか分からず、トイレを探していたら迷子になり、
機転を利かせた同期が空港で呼び出しをして何とかタクシー乗り場にたどりついた、というのは内緒だ。
ホテルはタイムズスクウェアの裏にあり、私の実家より広い部屋だった。
それでも弊社は質素な方だった。
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったソロモン・ブラザーズの宿泊先は、グランド・セントラル直上のフィッツ・パトリックだった。
- 212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:49:09.20 ID:FJAozkQP0
- 証券外務一種試験勉強中の俺にはすごく参考になります
やっぱ外資系コエエ……
- 214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:53:29.94 ID:r86iDuHL0
- >>76
不均衡動学って、専攻どうなんの?
- 215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:53:35.84 ID:0A+uiztU0
- >>1
BNFについてどうおもう?
また、今後の日本はどうなっていくとおもいますか!
- 216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:55:12.47 ID:27JeLc10O
- >>1
おいっ!
とりあえず結婚しようぜ!
- 217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:55:47.59 ID:r1OkU4vB0
- >>1
俺は寝る。
とりあえず、1に一言。
あなたは良く頑張った。あなた自身が自分を立派ではないと言うなら、私は何も言わない。
その会社に行くために惜しみない努力を重ね続けたことも、尊敬したい。
たとえその努力が強迫じみたものだったとしても、それでも続けられたあなたの強さを見習いたい。
あなたは自分を強くないと言うかもしれないけど、そんなあなただからこそ見習いたいという人がいることを、忘れないでほしい。
最後に一言。
お疲れ様でした。良い日々を。
- 224 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:01:06.53 ID:ZJHTbWj30
- >>212
受かると良いね
でもこれは昔の話だからね
>>214
理論経済学
>>215
あれだけ稼げるなら、何かお金を社会の役に立つことに使って欲しい
今後の日本については、、、ちょっと心配
>>216
いい人がいれば明日にでも
>>217
ありがとう、とても励みになる。ちょっとじわってきた(´・ω・`)
とりあえずは見てくれてる人のためにこれを完遂させたい。
- 233 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:10:00.72 ID:ZJHTbWj30
- 研修では、ニューヨーク大学を始め、企業金融(Corporate Finance)の分野で世界的に有名な教授陣による講義と演習が行われた。
併せて、会社の長老達が出てきて、会社の歴史や逸話を語るパネル・ディスカッションも行われた。
欧米の学生にとって、投資銀行とは虚栄の篝火であるとともに、富と成功の象徴でもある。
彼らにとって、この長老たちは言わば本でしか読んだことの無い伝説の人物、というわけだ。
畢竟、彼らが長老たちに注ぐ視線は熱がこもっており、半ば宗教じみていた。
そんな大学の入学ガイダンスのような授業を午後3時〜4時まで受けたあとは、それぞれ遊びに繰り出す。
東京での過酷な生活から一転、享楽の2ヶ月間が待っている。それがニューヨーク研修の慣わしだった。
ご多分に漏れず、私も初めての海外を満喫すべく、昼間は色々なところを観光してまわった。
休日の昼に、セントラル・パークでチーズケーキを食べながら洋書の専門書を読むと、なんだか海外の大学院に無事来れたかのような錯覚に陥った。
夜は夜で、会社主催のパーティが週に3回程度の頻度で開催される。
クルージング・パーティ、クラブを貸し切ったダンス・パーティ、高級レストランでの会食。
何から何まで初めての経験ばかりだった。
- 219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 01:57:13.84 ID:KtUmZBaLO
- VIPなど無縁な感じするのに、どうしてこんなとこに迷い込んだんだ?
- 230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:07:13.45 ID:KtUmZBaLO
- いい人の条件kwsk
- 234 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:12:42.35 ID:ZJHTbWj30
- >>219
まとめブログ好きだったから、現場に出てみました
>>230
ニュータイプ
- 251 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:25:38.04 ID:ZJHTbWj30
- ここで、私は色々なことを学んだ。そしてそのたびに高い勉強料を支払いもした。
その全てを紹介したいところだが、ここではそのうちの一つを紹介したい。
ボブという韓国人がいた。
彼は研修の時に隣の席だったので、よく話していた。私は拙いながらも、英語の練習にもなると思い、彼とよく昼食を取った。
中学に上がるときに渡米したボブは、既に米国籍を取得しており、名門ペンシルバニア州立大学を出ていた。
金融界では、ペンシルバニア州立大のウォートン校と言えば、ハーバードやスタンフォードとは比べ物にならないエリートである。
私が英語が不慣れなこともあり、彼は積極的に話題を提供してくれた。
故郷のこと、アメリカに来た理由、人種差別、米国の政策、金融の行く末、将来の夢。
多くの場合、私は感想を二言三言述べるだけだったが、彼は実に楽しそうに話すのだ。
それが嬉しくて、私は彼に対して非常に親しい気持ちを抱いた。
一方、私は研修中にニューヨーク州の米国公認会計士試験を受けることになっていたので、
ボブや同期の飲みの誘いを断って、一人でホテルで勉強していることが多かった。
クラブという場所が慣れなかったこともあるが、心のどこかで、それが仕事とはいえ、
こんな贅沢をしながらクラブと洒落込む、というのは気が引けていたのだった。
しかし、試験を終えた後、飲みの誘いを受けて、私はグリニッチ通りの会員制バーに行った。
そこで私は非常に怖い思いをすることになる。
- 244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:21:36.34 ID:r86iDuHL0
- ねえ、文章がすっきりしてて読みやすいけど、
文章の書き方講座みたいなのも受けたの?
どういう点に気をつけて文を書けば、こういう読み易い文章書けんの?
- 245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:22:02.49 ID:cBmk7VyY0
- 人生終わった気になってる俺には>>1の話は辛いや
尊敬もする
くやしい
- 261 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:34:09.24 ID:ZJHTbWj30
- >>244
褒めてくれてありがとう!
書き方講座どころか、こんなに長い小説(伝記?)風の文章書いたのも初めて。
頭に浮かんだままを書いてる
>>245
大丈夫、何とかなる
そう思って明日を生きよう
- 248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:23:31.42 ID:sSTBmN7x0
- なんでVIPでパートたててんの?
バカなの?荒らして欲しいの?
- 254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:29:39.14 ID:rgRxIVDUO
- なんか長くて訳分からなくなってきた
>>1が話したいんならいいけど
- 257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:31:41.12 ID:r86iDuHL0
- 俺は全然知らない業界だから、むしろ詳しく書いてくれるほど嬉しいわ。
長くて訳わからない人は、(1が許可すれば)誰かがきっとまとめサイトつくってくれるから、それ読めばいいんじゃね?
- 269 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:37:39.38 ID:ZJHTbWj30
- >>248
バカです。誰にも話せない話を聞いてもらいたかった。
リアルの友人は、ライバルだったり微妙な関係だったりで、全てをそのまま話せるわけじゃない。
実際に交友があると、事実を話すことで失うものもある。
そういうものから自由になれるのは、ここしか無かった
>>254
ごめん、なんか独白になってきちゃった。
小説風に書いておいて投下すべきだったね
>>257
なんとなく、そういう人への紹介的な意味も込めて書いてる
で、思いつきの駄文なんで転載してくれても何の文句も無い
- 287 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:49:27.75 ID:ZJHTbWj30
- バーは高級感溢れる感じで、半裸の女性がたくさんいた。ストリップ・バーだった。
まずそこで逃げ出しくなったのだが、めかしこんで来た上に同期もいる手前、拒否は出来なかった。
そこかしこでポールに抱きついた女性が踊っており、
ソファに座っている男性にまたがる形で、裸の女性が官能的な眼差しを振りまいていた。
彼女達の美しさに感心したのも、束の間。ボブがおかしいことに気づく。
私は女の人達をぼーっと見ている。ボブはこちらを見ている。私は気づかない振りをする。ボブは視線を逸らさない。
そのうち、周りの同僚が囃し始めた。そして話しかけてきた。
男「1、ボブの気持ちは知ってるだろ?」
1「何のこと?」
男「何って…、君らは仲良いじゃないか」
1「うん。それで?」
男「…」
それで収まるかと思っていたが、男性陣はテキーラショットを煽るように何周もやっている。
ボブはさらに酔う。髪を触ってくる。
やめてくれ…と思いながらも、出かける前にシャンプーとリンスしてきたあたしGJ!とひとりごちる。
そのうちベロベロになった男性陣が一人、また一人と嬢を連れて個室へ消えていった。何をしていたのかは知らない。
そろそろ帰ろうかと思った頃、ボブが囁く。
ボブ「僕らも行かない?」
- 288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:51:19.19 ID:y5Hr7wEr0
- この方向性ならいえる……!!
さすがコリアン
- 295 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 02:58:08.23 ID:ZJHTbWj30
- 背筋が寒くなるのを感じて、席を立つ。
1 「私、勉強しなくちゃ!」
ボブ「試験はもう終わっただろう?課題だって、さっき僕に教えてくれてたじゃないか。君が終わってないはずがない」
まずいまずいまずいと思いながら頼みの女性陣に視線をやると、
女 「ハーイ、私と遊ばない?」
女は女でジンをガンガンいっており、ストリップ・バーで逆ナンするという荒業を展開していて役に立たない。
東京の同期に至っては、ゆでた餅みたいになった顔を白人の男に嘗め回されていた。彼らのキスは相手を食ってるみたいに見える。
そのままボブに強引に手を引かれ、私は個室に入ってしまった。
入ってから私はドアにもたれながら逃げようとする。ノブはボブが握っていて、ドアは開かない。
1 「ボブ!なんでこんなことをするの!?」
ボブ「僕の気持ちは知ってるだろ。君だって、僕といて楽しかったろう?」
1 「それとこれとは話が…」
キスで口を塞がれた。ファースト・キスだった。
- 301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 03:03:12.21 ID:rgRxIVDUO
- 寝る前に一言
ボブしねwww
- 290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 02:52:34.55 ID:1yGP2qxl0
- いや、めりけんは女を食事に誘っておkだったらとうぜんそのあともおkという風に考えるらしい
とどこかで読んだ
- 303 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 03:04:29.84 ID:ZJHTbWj30
- ここで軽くキング・クリムゾンして結論を言うと、
>>290も言っているように、恋愛の作法というのは各国で違いがある。ということが言いたかった。
例えば、中国人は婚前交渉についてかなり嫌悪感を持っているし、韓国人の男は凄い強引
フランス人の男も女も食事がただの食事で済まないし、アメリカ人は「付き合いましょう」的なプロポーズが一切無い。
かくして、いい思い半分嫌な思い半分、色々なことを学んで私は帰国した。
その後のボブのとのやり取りはそれはそれで修羅場ったのだが、それはまた別の物語ということにしたい。
- 306 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 03:05:57.74 ID:ZJHTbWj30
- あ、忘れてた。
ニューヨーク編 糸冬
- 307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 03:06:10.43 ID:ucf+umK8O
- キスだけで済んだのか?
- 308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 03:07:04.69 ID:r86iDuHL0
- >>303
キングクリムゾンし過ぎwww
- 316 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 03:11:54.20 ID:ZJHTbWj30
- >>307
概ね済んだ。
>>308
書いてて悲しいのとアホらしいのでキレイに文章書く自信が無くなっちった
- 315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 03:11:32.21 ID:3UedMsHLO
- ボブ外伝聞きたいのす
- 349 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 03:58:34.94 ID:ZJHTbWj30
- ボブ外伝
キスをされてまず思ったのは、
(ボブ意外と唇柔らかいな)。
人間、予想外の出来事に出くわすと、何処かピントのずれたことを考えたりしたりしてしまうものである。
しかし、次の瞬間には思考が賢者モードに切り替わった。ボブが舌を入れようとしてきたのだ。
私は歯を閉じて舌の進入を拒む。ボブはなおも侵攻する。まずい、こいつ本気だ。
そして顔をのけようと手を顔に近づけると、向こうは向こうでこちらの両腕をホールド。しばし近距離組手タイム。
しかしボブは強かった。兵役が終わっていたこともあって、膂力は申し分無い。
そのうち、どうやったのか分からないが私の腕はX字型に固定され、再びキスされた。
(もうだめだー・・・)
もうどうしようも無い。絶望とはまさにこのこと。世の中に正義は無いのかとか本気で思った。
しかもボブは空いた手で色々と触ってきた。
(きさんそのヴィクトリア・シークレットさんがいくらすると思っとーと!?)
と心の中で叫んでいた。涙が、流れた。
- 353 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 04:03:06.14 ID:ZJHTbWj30
- 泣いて嗚咽するとボブはさすがに侵攻の手を緩めて話しかけてきた
ボブ「・・・1、どうしたの?」
1 「・・・coward」
ボブ「・・・え?」
1 「この卑怯者!」
と叫んで張り手一閃。
と行きたいところだが、完全なマウント・ポジション下での張り手カウンターは力が入りきらず、いまいちだった。
ボブ「!!何すんだよ!?」
1 「強引にするなんて最低!もっと他のやり方あるでしょ、場所だってあるでしょ!あせdrftgyふじこ!!!!」
と相手のお家芸である火病状態で覚醒していたら、再度顔を近づけてきたので、やむなく全力で頭突き。
ボブ「アーーーーーーーーウ!」
その隙にドアを開けて全力で外へ。タクシーを拾って即ホテルに向かう。
服が乱れまくってたのでタクシーの運ちゃんにも微妙に襲われかけながら、何とかホテルに到着。
日本人って尻軽だと思われてるのか?と本気で思った夜だった。
ついでに、一張羅にしようと思って買ったアルマーニのドレスは色々とアレなことになってて、気持ち悪かったこともあって捨てた。
歯を磨いて、シャワーを浴びた。浴びてる途中、思い出してまた泣いた。本当に怖かった。
漫画で見ていたようなドラマはそこには無く、異国にまで出張してきた田舎娘の幼さが踏みにじられた残酷さがただあった。
シャワーの水滴が頬を伝う。どれだけ涙が流れているのか分からないが、頬を伝い流れるシャワーの水全部が自分の涙のように思えた。
そのまま寝て起きると、外は小雨だった。空が自分のために泣いてくれているようで、少し気が晴れた。
ボブ外伝 糸冬
- 357 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 04:13:22.20 ID:ZJHTbWj30
- さて、これから何を書いていこうか。。。
やべ、今朝歯医者の予約入れてたんだった。あたまいてえ
- 356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 04:11:55.04 ID:Zq6XcNy0O
- 研修の次は何編なんだ
- 358 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 04:15:45.72 ID:ZJHTbWj30
- >>356
そこなんだよな。
研修から帰ってきた後は仕事の話ばっかになっちゃうから、
仕事以外の話を軸に書いた方がたぶん読みやすいと思うんだが、
自分としてはどういうのを軸にすれば面白く読んでもらえるのかで悩む
- 359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 04:21:24.12 ID:rgRxIVDUO
- やめる経緯に繋がればいいかと
- 361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 04:23:23.89 ID:Zq6XcNy0O
- 何が軸にしろ今みたいに日常が既に別世界で普通に面白いな
- 363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/02/19(木) 04:24:27.68 ID:ovS1eErSO
- 面白いからなんでもいいよ
- 365 名前:1 ◆RWwEbHEhig 投稿日:2009/02/19(木) 04:27:01.39 ID:ZJHTbWj30
- >>359
おk そうする
>>361
ありがとう
ずいぶん遠いところに行ってきた感じがするよ
>>363
分かった、適当に書いてみる